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【社会】

憲法の大切さ ゲームで学ぼう 弁護士ら製作、体験会

憲法ボードゲームを体験する参加者ら=2日、大阪市東淀川区で

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 憲法の理念を忘れ不幸になった都市を、みんなで協力して救え! 小学生から大人まで遊びながら憲法の大切さを学べるボードゲームを、「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)のメンバーらが製作している。2日、大阪市で試作版の体験会が開かれた。 (小形佳奈、杉戸祐子)

 「東京は『政府のやってることを知ろうとしたら捕まります』だって」「『テレビは一つのチャンネルしか見られない』も出てきた」「やばい。行って助けないと」。体験会で親子連れら十五人が三つのグループに分かれ、日本地図の描かれたボードを囲んだ。

 ゲームの設定はこうだ。

 とある時代の日本。北は網走から南は沖縄まで、十二の都市で市民が悪い魔法使いのせいで憲法を忘れ、憲法の条文に関連した「不幸」に襲われる。東京は集会や結社、表現の自由、検閲の禁止などを定めた憲法二一条がテーマだ。

 プレーヤーは各都市間で駒を動かし、サイコロを振って「kenpoバリア」を張って回る。防御に成功すると「もう戦争しません」(広島、九条)、「みんな人間らしく生きていくことができる」(仙台、二五条)など、理念に基づいた暮らしを取り戻せる。

 一緒に遊ぶ相手は敵ではなく、協力し合う仲間。体験会では、東京の防御に成功して「好きなことを話し、みんなで集まれる。知る権利もあるよ」と二一条を分かりやすく解説するカードを獲得すると、歓声が上がった。

 参加した大阪市天王寺区の小学五年塩山素佳(もとか)君(10)は「難しかったけど楽しい。憲法がないと危険だと分かった」。ゲームで「一年(のうち)三百六十日働く」という「不幸」に驚き、勤労の権利を規定した二七条の大切さを知ったという。神戸市西区のマンション管理人堀口康介さん(33)は「憲法があるから今の生活ができていると実感した」と話した。

 ボードゲームは、あすわかの武井由起子弁護士(51)が、子どもにも分かりやすく条文の意味や役割を学んでもらうツールとして、ボードゲーム製作の実績があるまちづくりコンサルタント安藤哲也さん(36)=川崎市=に協力を要請し、二年かけて開発した。

 自身は「九条しか知らなかった」という安藤さん。「当たり前にあるはずの憲法がなくなったらどうなるか、ゲームで想像できれば、大切さに気付く」と考えた。武井弁護士は「憲法がないと大変、と共感できるゲームになった」と手応えを語る。

 今月末からクラウドファンディングで印刷代や部品代を集め、八月の発売を目指す。価格は一セット四千円前後になる予定。クラウドファンディングのサイトは、「キャンプファイヤー」で検索。

 十二日には東京都千代田区内神田一の「シャン・ドゥ・ソレイユ」で体験会を開く。参加費は大人千円、小中高校生五百円。「憲法ボードゲーム」のフェイスブックから申し込める。

ゲームについて説明する開発者の安藤哲也さん(中)、弁護士の武井由起子さん(右)ら=東京都千代田区で

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