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【社会】

声は私、顔は別人 AIベンチャーが動画加工アプリ

動画画面の赤ちゃんの表情を、瞬時に自由に変えられる=東京都新宿区で

写真

 スマートフォンの画面に他人の表情を映し、自分の表情や口の動きを簡単に合わせられるアプリを、ベンチャー企業エンボディミー(東京都新宿区)が開発した。人工知能(AI)技術を駆使し、仲間同士で楽しむツールや映像制作に応用されることを期待している。 (三輪喜人)

 「僕は赤ちゃんだよ」

 スマホの画面に映る赤ちゃんが、にこやかに大人の声でしゃべった。声と表情の正体は同社の吉田一星社長(35)。深層学習など三つのAI技術を組み合わせたアプリ「Xpression(エクスプレッション)」を使った。対象の人物の動画や写真をスマホに取り込み、スマホのカメラに向かって話したり表情を変えたりすると、表情や口が同じように動く。

 高性能のコンピューターや大量のデータなしに、スマホ一台で即座に加工できる点が強み。吉田さんは「スマホで手軽にリアルタイムで動画を加工できるのは世界で初」と話す。

 利用法としては、知人の結婚式で「トランプ米大統領が祝福のメッセージを送る」動画を作るなど、仲間内でのユニークな遊びに活用されることを想定。映像業界がアプリの技術を応用し、低コストでCGを作るような広がりも期待する。

 近年、写真を簡単に加工できる技術が広まってきたことに伴い、事実と異なる「フェイク画像」の問題も出ている。「フィルム写真の時代から、映像への加工は行われてきた。悪用されないよう対策を取ることが重要」と吉田さん。このアプリで作った動画にはロゴマークや電子的な「透かし」を入れ、加工が分かるようにしている。

 情報技術に詳しい産業技術総合研究所の辻井潤一・人工知能研究センター長は「現実にないものを作るのが情報技術。どうコントロールするかは、技術だけではなく社会制度や倫理も関わる問題になる」と注意を促す。

 

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