東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

ガンダム 理髪店に立つ!! 青森の店主 還暦過ぎて自作、ファン集う

アニメ「機動戦士ガンダム」に登場するモビルスーツの巨大像と制作者の鈴木敏美さん=いずれも青森県おいらせ町で

写真

 青森県おいらせ町の国道沿いに突如現れる巨大ロボットたち。アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する人型兵器モビルスーツ(MS)は、すぐ隣で「スズキ理容」を営む理容師鈴木敏美さん(74)が自作したものだ。「あえて言おう、趣味であると!」。会員制交流サイト(SNS)などで話題を呼び、国内外からガンダムファンが訪れる。

 「見る人の目を奪いたい」との創作意欲が生んだ異様な光景。通り掛かったドライバーは思わず車を止め、カメラを向ける。もの作りの趣味が高じて高さ数メートルのMS約十体を作り上げた。メッセージノートには「すご過ぎて超びっくり」「クオリティーが高い」と、訪れたファンからの称賛の言葉が並ぶ。

 子どもの頃から絵画や工作に熱中し、芸術系の大学に進みたいと考えた時期もあったが、最終的に家業を継いだ。仕事の傍ら、風景画を描き、生き物の石こう像を作っていたという。

 六十歳を過ぎて「店の外に置ける大きなものを作りたい」と思うようになった。観音像くらいしか思い浮かばなかったが、客の高校生から「ガンダムは」と薦められた。全く知識がなく、確認のために足を運んだプラモデル店で一目ぼれ。「失敗してもいい。挑戦してみるか」。一年以上かけ、コンクリート製のガンダム像を完成させた。

 その後、お客さんから「ガンダムがあるなら」と請われ、敵機ザクを制作。要望を聞くうちに次々と増えていった。

 最初の二体は石こう像の技術を使ったコンクリート製だったが、三体目からは発泡スチロール製に変更した。市販のプラモデルを参考に図面に起こし、発泡スチロールを重ね合わせてパーツを作る。シーリング材で覆い、水に強いラッカー塗料で着色するため、雨や雪にも強い。「プラモさえあれば、どんな形状のMSでも作るのは不可能じゃない」と豪語する。

 ガンダムの顔の形をしたカラオケルームも建造。外の様子をモニターで見ることができ、さながらコックピットにいる気分を味わえる。

 「ただ人生を終えるより、人に感銘を与えて生きていきたい」。現在はユニコーンガンダムのライバル機シナンジュを制作中だ。今後はガンダムシリーズ以外のロボットも手掛けたいという。

 本業にも手抜かりはない。普通コースに加えシャンプーなしの割安な「ガンダムコース」を用意し、はさみを操る。

「スズキ理容」店内で、新作を制作中の鈴木さん。客が来ると中断し、本業に戻る

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報