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【社会】

差し戻し審「被爆者」認定 長崎地裁 投下後に入り8年前死亡

 原爆投下時に国が指定する地域の外にいた「被爆体験者」が、被爆者と認めるよう長崎市などに求めた訴訟を巡り、最高裁が、投下後に指定地域に入った入市被爆の可能性があるとした男性の差し戻し審判決で、長崎地裁は十四日、入市被爆があったとして被爆者と認める判決を言い渡した。

 男性は二〇一一年に八十一歳で亡くなった上戸(かみと)満行さんで、遺族が訴訟を引き継いだ。

 遺族側は上戸さんの生前の証言を基に、投下後、被爆者認定される地域で働いていた兄を捜しに行ったと主張。武田瑞佳裁判長はこの証言を「不自然でなく、第三者の裏付けがなくとも信用性は低下しない」とした。

 その上で、上戸さんは一九四五年八月九日午後〜十日午前に指定地域に入ったとし、被爆者援護法が定める「投下から二週間以内に爆心地から半径二キロ圏に入った」場合に当たると認定。被爆者健康手帳の交付と、健康管理手当の支給申請を却下した市の処分を、いずれも取り消した。

 遺族側弁護士は、判決後の記者会見で「(被爆の)証人がいなくても、救済される道が開かれた」と評価した。長崎市の田上(たうえ)富久市長は「判決の詳細を確認して対応を検討する」とのコメントを出した。

 上戸さんは、被爆体験者による集団訴訟の原告の一人。一審長崎地裁、二審福岡高裁ともに全面敗訴で、一七年十二月の最高裁判決は上戸さんのみ審理を地裁に差し戻し、他三百八十七人の訴えは一、二審に続いて退けた。

 

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