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【社会】

はやぶさ2、着陸誘う「お手玉」 りゅうぐうに目印きょう投下

実験に使ったターゲットマーカーと、開発のヒントになったお手玉を手にする小笠原雅弘さん=14日、東京都府中市で

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 探査機「はやぶさ2」は16日午前11時半ごろ、小惑星りゅうぐうへの2回目の着陸に向け、4月に作った人工クレーター周辺に、目印の球「ターゲットマーカー」を投下する。マーカーは2005年に小惑星イトカワに着陸した初代はやぶさと同じ設計で、お手玉をヒントにしている。 (増井のぞみ)

 はやぶさ2はマーカーを目指して降下するので、マーカーを目標点近くにうまく落とせるかどうかが着陸の精度を左右する。十数メートルの高さから投下するため、跳ねると遠くに転がってしまう恐れもある。

 マーカー開発を主導したNEC航空宇宙システム(東京都府中市)の小笠原雅弘さん(64)によると、設計段階だった一九九七年、落としても跳ねないお手玉の仕組みを取り入れる案が、担当者の間で浮かんだ。小笠原さんは、当時六歳だった娘が遊んでいたお手玉を基に、試作を重ねた。

 お手玉は、布袋に詰めた小豆が落下の衝撃を吸収する。消防服素材などで作った袋にガラス玉を詰めてみたが、実験では跳ねてうまくいかなかった。試行錯誤の結果、直径十センチのアルミの硬い球にプラスチックビーズを収め、転がりを防ぐ四本の角を付けた。よく見えるよう反射材を付けた布を表面にかぶせた。「教科書がないので苦労した」と小笠原さんは話す。

 はやぶさ2は昨年十月、一個目のマーカーを投下し、目標から十五メートルの場所にとどまった。それを目印に今年二月、一回目の着陸に成功。着陸後の会見で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の津田雄一准教授(43)は「マーカーをきちんと落として追尾できたことが、着陸成功のポイントだった」と振り返った。

 太陽に近づくとりゅうぐうの表面が高温になるため、七月上旬までに着陸しなければならない。マーカーはあと四個あるが、複数個を近くに落とすと、探査機が混乱する恐れもあり、投下は今回が最後になるかもしれない。小笠原さんは「目標から五メートル以内に落ちて」と活躍を願う。

昨年10月にりゅうぐうに投下されたターゲットマーカー(丸印の中の白い点)。右は「はやぶさ2」の影=JAXA提供

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