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【社会】

助けて!全国の「鈴木さん」 和歌山・海南 聖地復元へ資金集め

老朽化が目立つ鈴木屋敷=14日、和歌山県海南市で

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 全国的に多い鈴木姓のルーツをさかのぼると、和歌山県海南市の国史跡「鈴木屋敷」にたどり着くといわれている。屋敷で暮らした鈴木一族は七十七年前に途絶え、建物はシロアリや台風などの被害で老朽化が目立つ。鈴木さんの「聖地」の復元に向け、市や地元の有志らが立ち上がり、全国の鈴木さんに支援を求めている。

 有志らでつくる「鈴木屋敷復元の会」や市によると、鈴木一族は平安時代末期の一一五〇年ごろ、熊野地方から移り住んだ豪族で、藤白神社(海南市)の境内に屋敷を構えた。当時、藤白神社には熊野参詣道の玄関口「一の鳥居」があり、一族は都から来る皇族らの案内役に従事。熊野信仰の布教や源平合戦への出陣などで各地に広がった。

鈴木屋敷の歴史などを鈴木道弘さん家族にガイドする復元の会の平岡溥己事務局長(左端)=14日、和歌山県海南市で

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 一族が絶えた後に屋敷の所有者となった神社は、参拝者に鈴木姓の歴史をガイドしたり、鈴木さんに御利益のある「鈴木家お守り」を用意したりと「発祥の地」としてPRしてきた。

 家族三人で神社を訪れた横浜市の会社員鈴木道弘さん(60)は「平凡な名字と思っていたから、和歌山と関わりがあって、そんな歴史を持つとは驚きだ」と話す。

 市と復元の会は、屋敷の建て替え工事などの事業費に約一億五千万円を見込む。うち約九千万円は国などの補助金で対応。残る約六千万円は「企業版ふるさと納税」で寄付を募っている。昨年度は自動車大手「スズキ」が二百万円を寄付するなど、県内外の八社から計五百万円の支援を受けた。

返礼品の「鈴木証明書」

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 また、四月からインターネット上で資金を集めるクラウドファンディングをスタートした。金額に応じた返礼品を用意。紀州漆器で作った「鈴木証明書」や、鈴木さん以外に贈られる「鈴木サポーター証」を発行する。いずれも、市内の飲食店で提示すれば、割引などのサービスが受けられるようにする考えだ。復元の会の平岡溥己(ひろみ)事務局長は「鈴木さんのルーツを守り、継承して、海南市を知ってもらうきっかけになればうれしい」とほほえんだ。

<鈴木屋敷> 和歌山県海南市の藤白神社の境内に残る。1942年に122代当主が死亡してからは、空き家となっている。2015年に屋敷を含む「藤白王子跡」が国史跡に指定され、再生への機運が高まった。江戸時代に描かれた絵を参考に復元する計画で、1969平方メートルの敷地に日本庭園や池なども整備する。22年3月末に完成する予定。

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