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【社会】

上原引退 どんなときも全力投球 先発、中継ぎ、抑えで貢献

2013年10月、ワールドシリーズを制し、喜ぶレッドソックス・上原浩治投手=ボストンで(共同)

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 昨年二月半ばだった。東京都内で上原浩治投手は黙々とグラウンドで走り込んでいた。米大リーグ、カブスからフリーエージェント(FA)になった後、所属先が決まらないままトレーニングを続けていた。先行きが見えない中でも必死に体を追い込む姿に野球への強い思いがにじんでいた。

 「雑草魂」が代名詞。上原のすごさは、どんな状況でも腐らず全力を尽くしたことだ。通った中学には野球部がなく、硬式で野球を始めたのは大阪・東海大仰星高に進んでから。大学受験に失敗し、浪人しながらも野球を諦めなかった。

 プロに入ってからも、一年目に20勝を挙げるなど先発として圧倒的な実績を残したが、求められれば抑えに転向。米大リーグでは中継ぎとしても活躍した。その軌跡は日米通算で100勝、100セーブ、100ホールドの“トリプル100”として数字に残った。

 夢をかなえるためにFAで飛び出した古巣巨人が手を差し伸べてくれて昨季、十年ぶりに日本球界に復帰した。だが、シーズン後半は左膝の状態が悪く、思うような投球ができなかった。オフに手術を受けて再起を期したが、本来の姿には戻らなかった。

 野球のためにはどんなにつらい練習にも耐えてきた。だが、義理堅い男だけにチームの勝利に貢献できない状況が許せなかったはずだ。全力を尽くしてきたからこそ、引き際は今だと思ったのだろう。

 

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