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【社会】

衛星で風予測 燃費◎飛行 全日空とJAXA研究 慶大も協力

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 人工衛星で風の向きや強さを観測し、燃料効率のいい航空機の飛行ルートを決定する−。こんなアイデアの実現を目指し、全日空グループが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタッグを組み、検証を進めている。衛星の活用や実証研究などに関する契約を一月に締結。慶応大などとも来年一月まで共同研究を重ね、事業性を判断する。

 考案したのは、ANAホールディングス社員の松本紋子(あやこ)さん(35)。松本さんによると、世界の空では一日約十万便が飛行しており、仮に燃料を1%削減できれば、年間で三百六十五万トンの節約になるという。経費節減に加えて温室効果ガス排出の抑制にもつながる。

 松本さんは二〇一七年、内閣府などが主催して開かれた宇宙関連ビジネスのコンテストに個人でこのアイデアを応募し、大賞に選ばれていた。

 航空機の燃料消費は風の向きや強さに大きく左右される上、必要以上の燃料を積むと、その重みでさらに消費量が増えてしまう悪循環になる。上空を流れるジェット気流(偏西風)は、特に影響が大きい。

 全日空は一〇年ほど前から、日米の航空当局の提案に協力。通常、離陸前に提出する飛行計画の経路通りに飛ぶが、太平洋上を飛行する航空機に関して、離陸後に最新の気象予測データを用いて、追い風が吹いているなど燃費効率の良いルートに変更する運航に取り組み、松本さんも携わった。

 一定の燃料削減の効果は確認されたが、地上のように固定した観測点が置けない洋上では、飛行データや雲の動きから算出するなど、得られる上空の風のデータが限られてしまい、効果には限界があったという。

 そうした弱点を改善できないか悩んでいた際に目を付けたのが、JAXAなどが研究していた人工衛星だ。衛星は、レーザー光を大気中に発射し、微小粒子の動きを測定して風向や風速を観測する「ドップラーライダー」というシステムを搭載。この観測データを活用することで、より効率的な飛行ルートの構築が可能になるとみている。

 

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