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【社会】

石炭火力中止求め国提訴へ 横須賀「アセス不備、承認違法」

JERAの石炭火力発電所建設予定地=22日、神奈川県横須賀市で、本社ヘリ「まなづる」から(坂本亜由理撮影)

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 神奈川県横須賀市で進む石炭火力発電所の建設計画について、事業者が環境影響評価(アセスメント)で大気汚染などに配慮せず手続きを一部省略したのは違法だとして、周辺住民らが二十七日、計画を認めた国の「確定通知」の取り消しを求める行政訴訟を東京地裁に起こす。住民側弁護団によると、石炭火力発電所の建設中止を求める行政訴訟は神戸市に続き全国で二件目で、首都圏では初めて。

 建設計画によると、東京電力フュエル&パワーと中部電力が出資する発電会社「JERA(ジェラ)」は二〇一七年までに予定地にあった石油などを燃やす発電炉を廃止。二基計百三十万キロワットの石炭火力発電所を建設し、二三年以降に稼働させることを目指している。

 ジェラは建設計画を既存の火力発電所の更新と位置付け、国のガイドラインに基づいて環境アセス期間を短縮した評価書を昨年十一月に経産省に提出。世耕弘成経産相は同月、「環境への影響を適切に配慮している」などと判断し、評価書の変更を求めない確定通知をジェラに送った。

 これに対し住民側は、以前の発電炉が一〇年からほぼ全面的に停止していた実態を踏まえ「建設計画は更新ではなく、環境アセスの期間短縮は認められない」などとし、世耕経産相の判断に誤りがあると主張。石炭火力発電は最新の設備でも「二酸化炭素(CO2)の排出量が天然ガスの二倍以上」と指摘。ジェラが環境アセスで石炭以外の原料を検討しなかったのも、大気汚染や温室効果ガス増加につながると主張している。

 提訴する住民の中心メンバーの鈴木陸郎さん(77)は「石炭火力発電所が建設されれば健康被害が心配。CO2も多く排出され、将来の世代にわたって影響は大きい。建設はやめるべきだ」と話す。経産省電力安全課は提訴について「情報が無くコメントできない」としている。 (中山岳)

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