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【社会】

国技館警備“大一番” 米大統領、あす大相撲観戦

トランプ米大統領が大相撲夏場所千秋楽を観戦する両国国技館=24日、東京都墨田区で

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 トランプ米大統領が令和初の国賓として二十五日に来日する。警視庁は、米大統領の単独来日としては最大規模の厳戒態勢で臨むが、警備の「大一番」は二十六日の大相撲観戦だ。約一万一千人を収容する両国国技館(東京都墨田区)は土俵を中心にすり鉢状で客席が配置され、過去三度の火災経験からたくさんの出入り口が設けられている。警備上注意すべき点が多く、警視庁は警護官(SP)を通常より多く配置する。 (木原育子)

 「難易度が高い警備であることは事実」。二十六日の大相撲夏場所の千秋楽を見据え、警視庁幹部の表情に緊張感がにじむ。

 トランプ氏らは主に皇族が使う二階の貴賓席ではなく、土俵に近い升席で観戦する予定。警備関係者は「あぐらをかくのか、升席だが椅子に座るのか」と気をもむ。土俵上では、表彰式で優勝力士に「米国大統領杯」を贈呈する見込みだ。

 国技館は、どの席からも楽しめるよう四方から見下ろせるすり鉢状になっている。災害時、一階席と二階席から建物の外に抜けられるほど出入り口が多いのも特徴だ。

 両国国技館は一九〇九(明治四十二)年に開館したが、一七(大正六)年に火事で全焼。再建後、二三(同十二)年の関東大震災でまた焼けた。さらに戦時中は風船爆弾の工場として軍に接収され、四五年三月の東京大空襲で三たび焼失した。戦後、蔵前国技館(台東区)から再出発し、八四(昭和五十九)年に現在の両国国技館が完成した。

 そんな経緯から国技館は出入り口が多い。「地震と火災に綿密な計画が必要だった」。施工主の大手ゼネコン鹿島の資料「新国技館の記録」によると、日本相撲協会の当時の春日野理事長(元横綱栃錦)が避難経路の充実を求めたとされる。シミュレーションを繰り返し、一万人超の観客が五〜十分で避難できるようにした。

 ただ、出入り口が多いと警戒すべき点も増える。前出の警視庁幹部は「建物内だけでなく、敷地外も含めて総合的に警備する」と気を引き締める。

 当日は結びの一番で、客席から座布団が飛び交う事態も想定される。トランプ氏らに当たることを心配し、警視庁はSPを升席の周囲に通常より多く配置し、警戒する。来場者の手荷物検査も厳重に行われる見通しだ。

 両国国技館は東京五輪・パラリンピックでボクシング競技が実施される。警視庁は「不特定多数の観客が集まる会場で、楽しい雰囲気を壊さないように警備するのも今回の重要な課題」としている。

トランプ大統領の来日を控えて、出発ロビーで警戒に当たる警察官=24日、羽田空港国際線ターミナルで

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