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【社会】

陸自オスプレイ 17機、木更津配備伝達 市側は回答を留保

オスプレイ配備予定の陸上自衛隊木更津駐屯地。周辺には住宅街が広がる=24日、千葉県木更津市で、本社ヘリ「まなづる」から

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 佐賀空港(佐賀市)に配備する予定だった陸上自衛隊の垂直離着陸輸送機V22オスプレイについて、防衛省は二十四日、陸自木更津駐屯地(千葉県木更津市)に暫定的に配備する方針を市側に伝えた。同意が得られれば、仮の格納庫を整備するなどした上で来年三月の配備を目指す。ただ住民は恒久化を懸念しており、市側は回答を留保。導入ありきで佐賀配備を進めたものの、調整が難航した末の暫定配備は、防衛省の迷走ぶりをあらわにした。

 「市民の声を聞き、市議会、千葉県とも受け入れの可否を検討したい」。木更津市の渡辺芳邦市長は、市役所で面談した原田憲治防衛副大臣にこう述べるにとどめた。

 防衛省は二〇一五年度に米国からのオスプレイ調達を開始。二一年度ごろまでに一機約百億円で計十七機を導入する方針だ。岩屋毅防衛相は二十四日の会見で、十七機すべてを木更津駐屯地に暫定配備する考えを示した。暫定配備期間は、少なくとも数年にわたる見通しだ。

 米海兵隊オスプレイの沖縄配備を念頭に、陸自が導入することで安全性を訴える狙いがあったとされるが、その必要性には疑問がついて回る。もともと陸自にオスプレイ導入の構想はなく、陸自関係者からは「上(政治)から降ってきた」「陸自の予算を圧迫し、本来必要な装備に影響が出る」との声が今もくすぶる。

 南西諸島防衛を強化する防衛省は、長崎・相浦(あいのうら)駐屯地にある島しょ奪還の上陸作戦部隊・水陸機動団の輸送手段としてオスプレイの運用を想定。だが配備先の佐賀空港の地元漁業者などとの調整は難航し、関連施設の整備にも着手できないまま、昨年度から機体の納入が始まる事態に陥った。時間を稼ぐために今年三月から約一年間、納入された五機を使って米国で操縦士や整備員の教育訓練を実施することにしたが、場当たり的な感が否めない。

 木更津は南西諸島から最大約二千キロと遠く、佐賀配備の理由だった離島防衛の「即応性」にもそぐわない。陸自幹部は「事態が緊迫すれば九州などに事前展開する。運用に問題はない」とするが、大義名分はかすむ。

 オスプレイは、ヘリと固定翼機の能力を併せ持つティルトローターというこれまでにない航空機。固定翼モードからヘリモードへの切り替え時の不安定さなど、操縦に固有の難しさも指摘される。整備員も各地の部隊からえりすぐりを集めているといわれるが、トラブルが起きれば通常の機体以上に批判を受けるのは必至だ。

  (原昌志、山田雄一郎)

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