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【社会】

国賓、トランプ大統領が来日 皇室、もてなしに特別扱いなし

2011年11月、上皇さまの名代として国賓のブータンのワンチュク国王夫妻の歓迎行事に臨まれた皇太子時代の天皇陛下=皇居・東庭で

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 天皇、皇后両陛下は二十七日に、代替わり後初の国賓として来日したトランプ米大統領の歓迎行事や宮中晩さん会などに臨まれる。今回の来日を、政府は強固な日米関係をアピールする場と位置付ける。皇室にとっても海外賓客の接遇は、外国訪問と並び国際親善のための重要な活動だが、皇室は政治利用されてはならず、政府の思惑とかかわりなく、平等にもてなす。 (小松田健一)

 政府が招待する海外賓客は最上級の国賓のほか、公賓や公式実務訪問賓客など五つのランクに分かれる。皇室の場合、招待ランクが同じであれば、どの国に対しても接遇内容は原則として一律。政府が今回、安倍晋三首相とのゴルフや升席での大相撲観戦を組み込んだ厚遇ぶりとは対照的だ。

 宮内庁幹部は「皇室による国際親善の神髄は、国の大小や日本との利害関係の濃淡にかかわらず、もてなしに差をつけない点にある。トランプ氏だから特別な接遇をすることはなく、これまでの国賓と同じように粛々と迎える」と話す。

 天皇陛下は皇太子時代から、上皇さまが務める国際親善に間近に接するとともに、東宮御所(現・赤坂御所)を訪れた海外賓客と交流を重ねてきた。二〇一一年十一月と一二年三月には、体調不良だった上皇さまの名代として国賓を迎えている。

 皇后さまも子どもの時に米国や旧ソ連で暮らした経験があり、結婚まで外交官としてキャリアを積んだ。陛下は昨年九月の記者会見で、皇后さまによる国際親善について、こうした経験が「必ず役に立つと思う」と述べた。現在も療養中で負担を懸念する声もあるが、同庁幹部は「つつがなくお務めいただければ」と期待する。

 皇室や海外王室の国際親善に詳しい君塚直隆関東学院大教授は「短期間で交代する場合もある首相と異なり、皇室による外国との交際は継続性と安定性が強み。政治的利害に左右されない別の外交チャンネルを持つことは、日本の利点だ。また、天皇陛下が関心を寄せる水問題のような国際的な課題をこうした場で発信すれば、世界に対して問題解決を促すメッセージになる」と指摘した。

 

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