東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

「ゲーム障害」は依存症 WHO承認 22年施行、治療期待

 【ジュネーブ=共同】世界保健機関(WHO)総会は二十五日、オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を新たな依存症として認定した「国際疾病分類」最新版を承認した。アルコールやギャンブルなどの依存症と並んで治療が必要な疾病となる。新疾病分類は二〇二二年一月から施行され、世界中の医療関係者が診断や調査で使用する。

 スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、世界各地でゲーム依存が広がり、睡眠障害の例が報告されるなど問題化している。WHOは国際的な標準となる病気の分類に加えることで診断例が増えて研究が進み、治療や予防法の確立につながると期待している。

 ゲーム障害は、ゲームをしたい衝動が抑えられなくなり、日常生活よりゲームを優先し、健康を損なうなど問題が起きても続けてしまう特徴があると定義された。家族や社会、学業、仕事に重大な支障が起き、こうした症状が少なくとも十二カ月続いている場合に診断できる。

 日本では厚生労働省が、依存症の専門治療を行っている国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)に委託し、今年一〜三月にゲーム障害の実態調査を実施。分析結果を踏まえて今後の対策を検討する。

 この日の総会の討議では、日米韓三カ国がゲーム障害に言及。韓国代表は「健全なゲーム文化を育む上で喜ばしい」と表明したが、医療現場での適用には慎重な対応が必要だとした。日本は科学的な研究の進展に期待を示し、米国はゲーム障害の定義などについて「一層の調査研究が求められる」と強調した。

 総会は二十日、スイス・ジュネーブで開幕した。会期は二十八日まで。

写真

◆性同一性障害は疾患除外

 【ジュネーブ=共同】WHOの「国際疾病分類」の最新版からはこれまで精神疾患の扱いだった「性同一性障害」が、「性別不合」として性の健康に関連する分野に加えられた。

 WHOは、性別不合を「個人が経験する性と、割り当てられた性の間の、明らかで持続的な不一致」と定義。障害とは認められないとし、精神疾患から外した。

 これまでは医療機関で性同一性障害と診断されると、希望に応じてカウンセリングなどの精神療法やホルモン療法、性別適合手術が段階的に行われてきた。

 最新版ではこのほか、伝統医学の章が初めて設けられ、古代中国を起源とし、日本や中国、韓国に広がった「東洋医学」の漢方や、はり・きゅうで治療する病名が加えられた。

<国際疾病分類> 世界保健機関(WHO国際疾病分類)が作成している疾病、傷害および死因の統計分類で、病気の分類では国際的な標準となっている。世界中の医療従事者や研究者が診断や調査に使用しており、政府の人口動態調査などにも用いられている。国際統計協会の「死因分類」を1948年にWHOが引き継ぎ、以来改訂を続けており、現在、使われているのは90年に採択された10版。最新版となる11版には約5万5000の項目がある。 (ジュネーブ・共同)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報