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【社会】

在外邦人の国民審査訴訟 立法不作為どう判断 あす判決

 海外在住の日本人有権者が最高裁裁判官の国民審査で投票できないのは違憲だとして、米国在住の映画監督想田(そうだ)和弘さん(48)ら五人が投票できる地位にあることや、次回の国民審査で投票させないと違法であることの確認などを国に求めた訴訟で、東京地裁が二十八日に判決を言い渡す。

 東京地裁は別の裁判体が二〇一一年の同種訴訟の判決で、投票できない状況を「合憲性に重大な疑義がある」と指摘。その後も立法措置を講じてこなかった国の対応を、今回の判決がどう判断するのか注目される。国政選挙では、〇〇年の改正公選法施行で比例代表のみ在外邦人の投票が可能になった。最高裁は〇五年、改正前の公選法と、比例代表に限定した当時の規定を違憲と判断した。その後、再度の改正法施行(〇七年)で選挙区も投票が認められるようになった一方、国民審査権は放置された。

 原告側は「国民審査権は憲法で国民に保障されており、国民審査法は在外邦人の権利行使を禁じていない」と主張。次回の審査までに法整備の義務を怠ることは違憲だと訴えている。さらに、司法への唯一の民主的な関与の機会を失ったとして、一人当たり一万円の国家賠償も求めている。

 これに対して被告の国側は「国民審査法は国外での審査を予定していない」と反論。憲法は審査制度の在り方を国会による立法に委ねているとし、立法されていない現状で投票可能な地位の確認を求める主張は「立法行為の先取り」で不適法と主張している。

 また国側は、国民審査は実施が決まらないと対象者の名前を記した投票用紙を印刷できず、投票日に間に合わないと指摘している。ただ、国が主張するこうした技術上の課題は、一一年の段階で当時の東京地裁判決は通信手段の発達である程度解消できると指摘している。

 

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