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【社会】

原発事故、がんと関連否定 子どもの甲状腺検査 福島県が3日報告

 東京電力福島第一原発事故後当時十八歳以下だった福島県内全ての子どもを対象とした甲状腺検査で、二〇一四、一五年度に実施した二巡目の検査で見つかったがんと被ばくに関連性がないとする中間報告を、県が設置した専門家による部会がまとめたことが三十一日、関係者への取材で分かった。被ばく線量が高いとがん発見率が上がるといった相関関係が認められないことなどが理由。福島市で六月三日に開かれる部会で報告する。

 基礎データ収集が目的の一巡目と違い、事故後三〜五年目に実施した二巡目は事故の影響を調べる「本格検査」と位置付けている。専門家による二巡目の見解が初めてまとまったことで、今後の検査の在り方に影響を与えそうだ。

 関係者によると、国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)が県内五十九市町村ごとに推定した甲状腺被ばく線量を使い、がんが見つかった子どもの年齢や市町村と突き合わせて分析。約三十八万人を対象とした二巡目で五十二人のがんが確定し十九人に疑いが見られたが、線量の増加に従ってがん発見率が上がるという関連性はなかった。

 対象者が全国に散らばり受診率が低下していることが課題で、各都道府県ががんのデータを集めた「地域がん登録」などを活用していく必要があるとした。

 原発事故で放出された放射性ヨウ素は甲状腺にたまってがんを引き起こす恐れがある。福島県は、放射線の影響が表れる前に子どもの甲状腺の現状を把握するため一巡目となる「先行検査」を一一〜一三年度に実施。百一人ががんと確定したが、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と比べて被ばく線量が低いことなどから「放射線の影響とは考えにくい」とする中間報告を一五年に発表していた。

 昨年五月からは四巡目の検査が始まっている。これまでがんの確定は百六十八人、疑いが四十三人に上っている。

 

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