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【社会】

被災地てくてく 1000キロの道 東北沿岸結ぶ「潮風トレイル」開通

青森県八戸市の葦毛崎(あしげざき)展望台から望む種差海岸

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 東日本大震災で被災した、青森、岩手、宮城、福島の4県28市町村の太平洋沿岸部約1000キロを結ぶ自然歩道「みちのく潮風トレイル」の全線開通を祝う式典が9日、宮城県名取市で開かれた。震災からの復興や交流人口拡大による地域活性化が期待される。

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 式典に参加した二十八市町村の首長らと原田義昭環境相が手をつなぎ、全線開通を宣言。パネルディスカッションでは、整備中だった区間を含む、トレイル全行程を数年前に歩いた福島県出身のタレントなすびさんが「多くの人が待ち受け、声を掛けてくれた。東北の皆さんの人情を感じられるすてきな道だ」と紹介した。

 トレイルは震災後、被災地の復興や観光PRにつなげようと環境省が設定。ルートにはウミネコの繁殖地・蕪島(かぶしま)(青森県八戸市)や、岩手県陸前高田市の奇跡の一本松、震災伝承のため造成された宮城県岩沼市の千年希望の丘、相馬野馬追(そうまのまおい)の出陣式が行われる相馬中村神社(福島県相馬市)などが含まれる。

相馬野馬追の出陣式が行われる相馬中村神社=福島県相馬市で

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◆「復興の現状感じて」

 みちのく潮風トレイルのルートには被災地のほか、リアス海岸の景勝地も多く盛り込まれた。二〇二〇年東京五輪の聖火リレーのルートと重なる地域もあり、関係者からは「復興の現状を歩いて感じてほしい」「地元の魅力発信を」と期待の声が上がる。

 青森県八戸市の種差海岸インフォメーションセンターによると、最近は欧米の訪日外国人を中心にトレイルを歩く人が増えている。センターはハイカーと漁師の交流や、地元の魚介類を味わえるツアーを実施、ファン獲得につなげたい考えだ。

 岩手県のトレイル沿いを走る三陸鉄道リアス線は震災で津波被害を受けたが三月、八年ぶりに開通した。宮古市の景勝地、浄土ケ浜のビジターセンター担当者は「交通環境も改善された。(列車に乗って)現状を見に来てほしい」と話す。

 一日約二十キロ歩くと五十日程度で踏破できる一方、好きな区間だけを歩いてもよい。整備された歩道やアスファルトの道だけでなく、ライトを持って進むトンネルや、潮の満ち引きで道がつながったり消えたりするなど冒険心を刺激する難所もある。

 ルート設定に携わった環境省東北地方環境事務所、桜庭佑輔さん(41)は「一人で歩くと声を掛けてくれる地域の人が多い。交流を楽しみ、東北を愛するハイカーが増えれば」と話す。

 

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