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【社会】

マイクロプラスチック 有害物質、貝に蓄積 臓器から高濃度確認

海岸に漂着したプラスチックごみ=いずれも2018年10月、沖縄県・座間味島で(東京農工大提供)

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 海の微小なプラスチックごみ「マイクロプラスチック」に元々含まれていたり、表面に吸着されたりした有害化学物質が、貝などの生物の体内に取り込まれ、生殖器官などに蓄積することを東京農工大などの研究グループが野外調査と室内実験で確かめた。

 農工大の高田秀重教授は「マイクロプラスチックが有害化学物質を生物体内に運ぶ経路となっている。人間を含め、このような形で体に入る影響を詳しく調べる必要がある」と指摘した。

 プラスチック粒子に含まれる有害物質は生物の体内に蓄積することが懸念されていたが、詳しいことが分かっていなかった。研究成果は十二日からさいたま市で開く環境化学討論会で発表する。

 グループは二〇一八年十月に沖縄県の座間味島で、大量のプラスチックごみやマイクロプラスチックが漂着した海岸で貝の一種イソハマグリや、ムラサキオカヤドカリなどを採取。体内の有害物質濃度を分析し、島内のプラスチックごみがほとんどない地域で採取したものと比較した。

 汚染が激しい地域のムラサキオカヤドカリからは、マイクロプラスチックが体重一グラム当たり最大四百八十二個も見つかった。非汚染地域の個体ではほとんど見つからなかった。体内の肝膵臓(かんすいぞう)という臓器から、プラスチックを燃えにくくするために加えられる毒性の強い臭素系難燃剤の一種が、高濃度で検出された。有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)の体内濃度はヤドカリもイソハマグリも高かった。

 グループは、海水中のPCBなどの汚染物質を吸着させたポリエチレン微粒子を使い室内実験した。微粒子を入れた水でムラサキイガイを飼育すると、いったん体内に取り込まれた粒子は実験開始から二十四日後にほとんど排出されたが、生殖器官中のPCB濃度が高いことが判明。PCBが粒子から溶け出して移行、蓄積したことが分かった。

プラスチック粒子から有害化学物質が体内に移行、蓄積していることが分かったイソハマグリ

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