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【社会】

大阪交番襲撃 住民「誰かが拳銃怖い」 G20控え府警に衝撃

 警察官がまた襲われた。各地で交番襲撃事件が相次ぎ、対策が進むさなかの凶行。大阪府吹田市の交番で十六日、男が巡査を刃物で刺し、拳銃を奪って逃走した。日曜朝の静かな街にサイレンが響き、公共施設や店舗は軒並み休業。府警は東京の三十代男が関与しているとみて情報提供を呼び掛けた。安全確保に全力を挙げるが、二十カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)が迫る。捜査関係者は「まずいことになった」と頭を抱えた。 

 「怖い」「早く捕まえて」。大阪府吹田市の交番前で十六日、男が警察官を刺し、拳銃を奪って逃走。周辺住民に不安や恐怖が広がった。

 午前六時前、散歩中だった近所の男子大学生(22)は、千里山交番の入り口付近で、左上半身や腕が血だらけになり、あおむけに倒れている警察官を目にし、言葉を失った。左胸には刺さったままの包丁の持ち手が見え、「痛みに身をよじらせているようだった」。そばには警察用とみられる白いバイクが横倒しに。「頑張れよ」。他の警察官が駆け寄り、意識をつなぎ留めようと必死に声を掛け続けていた。

 近所に住む男性会社員(52)は、血で染まった制服姿で目を閉じた警察官が、ストレッチャーで救急車へ運ばれるところを目撃。同僚警察官らが「しっかり」「大丈夫だから」と励ましていた。

 周辺一帯には黄色い規制線が張られ、通行を制限。交番はブルーシートで囲われ、多くの捜査員が出入りし、物々しい雰囲気に。付近の路上や交番内には血の痕とみられる赤黒い染みが残っていた。近隣の住民や通行人は心配そうに規制線の内側をのぞき込んだ。

 交番は阪急電鉄千里山駅前のロータリーそばにあり、周辺には一戸建てやマンションが立ち並ぶ。

 携帯電話を落とした際に、現場の交番を訪れたことがあるという近所の無職新屋民保(しんやたみほ)さん(68)は「若い男性警察官が丁寧に対応してくれた。その人ではないかと思うと心配だ」と声を詰まらせ「こんな物騒な事件は起きたことがない。早く犯人が捕まってほしい」。

 幼い二人の子どもがいる市内の主婦(31)は「朝からずっとパトカーの音が聞こえ異様な感じだった。誰かが拳銃を持って歩いているかもしれないなんて恐怖しかない」と話した。

 ◇ 

 現場に近い大阪府吹田市の阪急南千里駅周辺は駅前の市立図書館が全館臨時休館になるなど、事件の影響をうかがわせていた。同駅周辺は集合住宅も多数集まっているベッドタウン。駅前駐輪場のスタッフの七十代男性は「駅前に人気の喫茶店やすし店もあり、普段は通勤客と合わせて人通りはすごく多い。でも外出を控えるよう呼び掛けが出ているせいか、今日は正月のようにひっそりしている」と話した。(井上靖史)

 

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