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【社会】

放射性セシウム長く地表に 森林内に深く浸透せず

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 東京電力福島第一原発事故で放出された放射性物質は、森林内で土壌表面から三センチ以内の表層に長期間とどまり、それ以上深く浸透しない可能性があるとの研究結果を、日本原子力研究開発機構(原子力機構)などのチームがまとめた。

 チームは福島県内の阿武隈山地の二カ所で二〇一三年から一七年にかけて、山林に降る雨や落ち葉、地表を流れる水などに含まれるセシウム137を測定し、土壌表面へのセシウムの流入と流出を観測した。

 五年間で、表面に流入するセシウムの量は少しずつ減り、流出量はほぼ一定だったが、流入、流出とも森林に沈着したセシウム全体の1%程度かそれ未満で、動きがほとんどなかった。このため事故時に放出されたセシウムは、長期間にわたり森林環境にとどまるとみられる。

 さらに、地下二十センチまでを深さごとに四つに分けてセシウム量の分布を測ると、一四年以降〇〜三センチの層のセシウムが最も多く、地下のセシウム総量に対する割合に変化はなかった。表層から下層への移行は、ほぼ生じていなかった。

 同機構の福島環境安全センターの新里忠史主任研究員(地形地質学)は「線量が高い地域には山林が多い。セシウムの動きの把握は川の下流や生活圏の今後の濃度予測に重要だ」と強調した。

 

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