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【社会】

ひきこもり便乗許さない 「引き出し屋」被害続出 排除へ実態調査

「引き出し屋」による被害を受けた女性(壇上)の話に聞き入る親たち=23日、東京都大田区で

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 KHJ全国ひきこもり家族会連合会(本部・東京)は二十三日、自立支援をうたって引きこもりの子どもを自宅から無理やり連れ出し、法外な料金を請求する悪質業者の実態把握に乗り出すことを決めた。こうした業者は「引き出し屋」と呼ばれ、各地で被害の訴えが相次いでいる。情報収集のためのプロジェクトチームを発足させ、当事者団体とも連携し、国に法規制を含めた対応を促す。

 この日、都内で開いた支部代表会議では被害者二人が体験談を語った。

 関東地方に住む女性は昨年、息子の家庭内暴力をきっかけに、都内の業者と契約を結び、三カ月分の入寮費など四百五十万円を支払った。「子どもを何とかしたいという一心で、貯金を全部はたいてもいいと思った」。この業者は民放のテレビ番組でも紹介されたことがあり、安心感があったという。だが事前に説明されたような支援は全くなかった。

 神奈川県内の施設から入所者計七人で脱走した三十代男性は、自宅に数人の男性スタッフがいきなり現れ、着の身着のままで連れ出された。後になって、親が契約していたことを知った。「施設ではメールも使えず、手紙も検閲されて、外部に助けを求めることはできなかった」と話した。

 川崎市の児童ら殺傷事件、元農林水産事務次官が長男を刺殺したとされる事件が起きた後、同連合会には不安を抱えた親からさまざまな相談が寄せられている。広報担当理事の池上正樹さんは「業者の中には、事件に便乗する形で(子どもを施設に預けるよう)親を勧誘する動きが出ている。子どもは施設を脱走した後も心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱え、親子関係は崩壊する」と注意を呼び掛けた。

 

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