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【社会】

“煙”たがられる喫煙所 行政機関屋内 来月から全面禁止

設置反対運動が起きている喫煙所(中央奥の茶色い建物)。出入り口が7階建てビル、排気口が地下鉄駅側(奥)を向いている=板橋区で

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 改正健康増進法の施行で、行政機関や病院などの屋内は7月1日から、全面禁煙となる。東京23区の各役所では、これを機に喫煙所を全廃する区と、屋外に喫煙所を設ける区に対応が分かれている。区役所の隣に喫煙所を新設する予定の板橋区では、煙の向かう先をめぐって近隣から反対の声が上がり、26日に住民説明会を開くことになった。 (東京ニュース班)

 本紙が二十三区に聞いたところ、現状で区役所の本庁舎内に喫煙所があるのは、台東、世田谷区など十六区。このうち中央、大田区の二区は、屋外にある既存の喫煙所も含め全廃する。中央区の担当者は「屋外だと子どもも出入りできるから」と話す。

 一方、文京、葛飾、新宿の三区は、屋外喫煙所を存続させる。「喫煙所をなくした結果、路上喫煙者が増えてはいけない」(新宿区)などとしている。七区は、新たに屋外喫煙所を整備することを決め、四区は検討中だ。

 もともと屋内に喫煙所がない荒川区は、屋外の喫煙所についても法律を契機として廃止するか、検討している。

 屋外喫煙所の新設でトラブルになっているのは板橋区だ。区役所に隣接する区有地に、空気清浄器付きの喫煙所を設置した。定員八人のコンテナ型で、室内の気圧を下げて煙の流出を防ぐという。

 ところが、思わぬ方向に波紋が広がった。喫煙所の排気口側に地下鉄駅のエレベーターがあり、出口側には診療所や薬局、子ども向け教室が入居する七階建てビル。設置を決める前に周囲へ相談しなかったため、ビル所有者やテナント入居者が反発した。

 「区役所に広い敷地があるのに、なぜわざわざ外に造るのか」とビルを共同所有する女性(54)は怒りをあらわにする。「駅エレベーターは高齢者やベビーカーの子どもも利用する。受動喫煙の危険にさらすのは許せない」。女性らは先月、坂本健区長宛てに抗議文を提出。区議会には二千四百人を超える署名を添えて設置の中止と撤去を求める陳情をした。陳情は継続審査になっている。

 区は、説明不足をわびつつ「路上喫煙の防止や来庁者以外の利用を想定した」と弁明。二十六日に初めての住民説明会を開き、喫煙所の構造やダクトを伸ばして排気を遠くに逃がすなどの対策を説明する予定だ。

 厚生労働省は「板橋区の対応は法令上の要件は満たしている」とした上で「いろいろな意見があるが、喫煙者は一定程度いるので、喫煙所の設置は必要。望まない受動喫煙が生じないよう施策を進めたい」としている。

<改正健康増進法> 昨年7月に受動喫煙対策を強化した改正法が成立。今年7月から学校や病院、行政機関などは原則として敷地内禁煙となるが、規定を満たせば屋外に喫煙所を設けることができる。民間の飲食店などは来年4月から原則屋内禁煙が始まる。

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◆都庁は屋外設置を断念

 東京都庁(新宿区)では、第一、第二本庁舎と都議会議事堂の建物内にある計六カ所の喫煙所を二十八日にすべて廃止し、屋外にも設置しない。

 都庁敷地内の広場や通路は一般に開放しており、「人が行き来するので、喫煙所の設置は検討したが断念した」と都の担当者。来庁者から問い合わせがあれば、約六百メートル離れた新宿駅西口ロータリーにある喫煙スポットなどを案内するという。

 都庁の隣にある新宿中央公園内にはパーティションで区切った喫煙所があるが、管理する新宿区の担当者は「公園利用者のための喫煙所。都庁にはかなりの人数が訪れるので、都庁の責任できちんと環境整備するべきではないか」と指摘している。 (石原真樹)

 

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