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【社会】

<税を追う>辺野古推進の歯車回す 防衛省と業者、二人三脚

辺野古の埋め立て海域に広がる軟弱地盤の改良工事を検討した報告書

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 「マヨネーズ並み」と評される海底の軟弱地盤が判明しても、沖縄・辺野古(へのこ)の新基地建設工事は止まらない。「施工可能」とのお墨付きを与えた報告書を作成した共同企業体(JV)の参加業者に、防衛省の幹部らが天下っていた。受け入れた建設コンサルタント三社は、一社入札や一社提案を繰り返し、数々の主要事業を受注してきた、いわば辺野古の常連業者。防衛省と二人三脚で、建設推進の歯車を回してきた。 (中沢誠)

 「環境影響評価の補正書の作成」「沖縄県に申請する埋め立て承認願書に必要な資料作成」「埋め立て工事の実施設計」−。これらは防衛省沖縄防衛局が発注した辺野古のコンサル業務の一端だ。手掛けたのは、防衛省から天下りを受け入れていた建設コンサル大手の日本工営や、同社が加わるJV。いずれも基地建設の重要局面にかかわる業務ばかりだ。

 さらに、滑走路や護岸などの本体工事の設計も独占的に受注している。もはや日本工営抜きでは、基地建設が前に進めないほど。同社も辺野古事業を「弊社の総合力を発揮できる重要な事業」と位置付ける。

 日本工営によると、辺野古事業に関わるようになったのは「二〇〇五年二月受注の環境現況調査から」という。現行のV字型滑走路の計画が固まった前年に当たる。同社は「一九七〇年代より防衛省や米軍の発注業務に携わっている。弊社がこれまでに蓄積してきた防衛基盤整備事業に関するコンサルタント業務のノウハウなどを生かした結果が、受注につながったと考えている」と説明する。

 基地建設の成否がかかった地盤改良の検討業務にも、日本工営をはじめ常連業者が関わっている。

 ところが、海面から最深九十メートルにまで達する軟弱地盤に対し、「七十メートルまで地盤改良すれば、安定的な施工が可能」と結論付けた報告書が明らかになると、一部の専門家や野党から疑問の声が相次いだ。

 報告書は七十メートルより深い海底地盤について、最深九十メートル地点から数百メートルも離れた別地点のボーリング調査のデータを基に「非常に固い」粘土層と類推していた。別の方法で地盤強度を算出した九十メートル地点は、硬さの基準値を下回っていたが、算出結果を「信頼度が低い」として採用しなかった。地盤工学に詳しい鎌尾彰司・日本大准教授は「都合の悪いところを捨てているような印象だ」と語った。

 コンサル業界に詳しい関係者は「同じデータを使用しても、施工がどこまで技術的に可能なのか、見解は分かれる。それが過去に例のない深さの軟弱地盤を改良するなら、なおさらだ」と指摘。「でも、業者からすると、辺野古は国家プロジェクトなので『できません』とは言えないでしょうね」と推し量る。

 防衛省整備計画局は「検討の前提となる海底のボーリング調査は別の業者が行っており、事実をねじ曲げるようなことはない」と反論。日本工営も「弊社はコンプライアンスを順守しつつ業務を遂行している」とコメントした。

 

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