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【社会】

「子どもの権利侵害」指摘 一時保護所に意見書 都の第三者委

 虐待を受けたなどで児童相談所に保護された子どもたちが最初に入る「一時保護所」について、東京都の第三者委員が三月、私語禁止など不適切な対応で子どもたちの人権を侵害しているとして、改善を求める意見書を都に提出していたことが分かった。 (石原真樹)

 意見書によると、都の一時保護所では、私語や目を合わせることを禁止するなど、さまざまな不合理なルールが存在。ルールを破ると「個別対応」として、ついたてで仕切った場所で漢字の書き取りを長時間させたり、グラウンドを何周も走らせるなど「指導の名の下に、罰を与えている」と指摘した。

 保護所にいる子どもたちからは、皆の前で職員に怒鳴られたり「ダメな奴(やつ)だな」「うるせえな、黙ってろよ」などの暴言があったとの訴えもあった。保護所にいる間は学校に通えず、施設内での学習指導も不十分とした。

 「刑務所みたいで、感情をなくし、脱走してしまいたくなる」「誰かと話したい」「安全だけど安心ではない」。意見書には、虐待など過酷な状況からやっと逃れた保護所で、過剰なルールに縛られ心が休まらない生活を強いられる子どもの叫びもつづられている。

 意見書では、こうしたことが行われる背景に、職員不足と施設の定員超過があるとして、職員を増やす必要があると指摘。私語禁止などのルールや個別対応と称した罰は「明日にでも廃止できる」とし、「職員の意識改革を早急に実現し、一日も早く子どもたちに対する権利侵害が減ること」を求めた。

 第三者委員は都が昨年度から導入した制度で、四人の弁護士が月に一度、都内の一時保護所を分担して訪問。子どもや職員の話を聞いて四人で意見書にまとめた。

 竹中雪与家庭支援課長は「真摯(しんし)に受け止めたい。子どもの入所率が高い中、管理的にならざるを得ない部分もあるが、子どもの権利を守って一人一人にきめ細かに対応できるよう努めたい」と話した。

 

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