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【社会】

「ひどすぎる」「文化的損失」 京アニ放火 怒り、悲しみ…ファンら追悼

現場検証が始まった「京都アニメーション」のスタジオの2階部分=19日午前、京都市伏見区で

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 京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」のスタジオで三十三人が死亡した放火火災から一夜明けた十九日、雨の降る中、ファンらが次々に献花に訪れ、悲しみにくれた。京都府警は現場検証を始めた。

 広島県呉市から駆けつけた無職男性(58)は現場に向けて手を合わせ、「被害者が気の毒で昨夜は寝付けなかった。犯人への怒りでいっぱい」と声を震わせた。同社のアニメについて「優秀なスタッフが多く亡くなったことは、日本にとって大きな文化的損失」と語り、「大変だと思うが、良質なアニメをこれからも作り続けてほしい」と願った。

 京都市上京区の大学生足立万怜(まさと)さん(18)は焼けたスタジオを見て「事実だとは分かっているけど、認めたくない気持ちがある」とぼうぜんとした様子。「登場人物の表情など、細部も手を抜かない素晴らしいアニメ。何よりもスタッフの方々の回復を祈りたい」と話した。

 数十年前にアニメグッズの制作を手伝ったという近所に住む五十代の女性は「真面目に働いていただけなのにひどすぎる」と、目を真っ赤にして花を置いた。

 京都府宇治市の京都アニメーション本社では、十九日朝から関係者が出入りしたが、悲痛な面持ちで無言のままだった。近くにある同社のショップは臨時休業した。

 京都を旅行中に火災を知って駆けつけた中国人男子大学生(19)は「作品は中国でも人気で、ストーリーがいいので全部好き。とても悲しい」と話した。 (深世古峻一、横井武昭)

◆「恐怖覚えた」「早い回復を」 海外からも悼む声

 アニメ制作会社「京都アニメーション」の火災は、放火としては平成以降で最悪の犠牲者を出した。「恐怖を覚えた」「一日も早い回復を」。事件の状況が明らかになるにつれ、十九日にかけてインターネットや各国メディアを通じて広く報じられ、アニメファンの芸能人や日本アニメの人気が高い海外からも悼む声が相次いだ。

 写真共有アプリ「インスタグラム」には、京都アニメーションが手掛けた作品のキャラクターを描いた自筆イラストが多数公開され、ツイッターでは「力になりたい」という投稿も。

 アニメ映画「この世界の片隅に」で監督を務めた片渕須直さんはツイッターで「アニメーションの仕事が命がけになんてなるべきではない」と暴力への抗議の意を表した。

 日本文化への関心が高い台湾の蔡英文総統は外遊先で一報を受けたといい、ツイッターを通じて「京都アニメーションは台湾の多くの人にとって青春の思い出でもあります。負傷された方の一日も早い回復を」などとコメント。ハガティ駐日米大使は「お悔やみ申し上げる」、ローラン・ピック駐日仏大使は「恐怖を覚えた」と投稿した。

 

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