東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

京都アニメ死者34人 さいたまの男、ガソリン放火は入念準備か

京都アニメーションのスタジオ(後方)の前で手を合わせる男性=19日午後1時24分、京都市伏見区で(横田信哉撮影)

写真

 京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」第一スタジオが放火された事件で、身柄を確保された際に男(41)が「ガソリンに火を付けた」と放火を認めていたことが十九日、京都府警への取材で分かった。府警は同社への恨みを一方的に募らせ、事前にガソリンやライター、複数の刃物を入念に準備し大量殺傷を計画した疑いがあるとみている。

 府警捜査一課と伏見署は同日午後、放火殺人事件として約百人態勢で捜査本部を設置。記者会見し、男の身元を住所、職業不詳の青葉真司容疑者と発表した。運転免許証の住所はさいたま市だった。

 一階から救出された男性一人の死亡が同日、新たに確認され、死者は計三十四人になった。青葉容疑者は全身に重いやけどを負っており、捜査本部は回復を待って逮捕する方針。スタジオ周辺で事件前日から青葉容疑者と衣服の特徴が酷似した男の目撃情報が相次いでおり、関連を調べる。

 関係者によると、青葉容疑者は、二〇一二年に茨城県でコンビニ強盗事件を起こし、懲役三年六月の実刑判決を受けて服役。精神障害があったことから、刑務所出所後には福祉サービスが受けられるよう国が支援する「特別調整」の対象になっていた。

 捜査関係者によると、青葉容疑者は確保時に赤いTシャツに青いジーンズを着用。「小説を盗んだから放火した」との趣旨の話をし「(京都まで)電車で来た」とも説明した。

 事件前日の十七日午後一時ごろ、スタジオの南西約五百メートルにある公園のベンチで似た服装の男が寝そべっているのを近隣住民が目撃。火災前の十八日午前八時ごろにも同じベンチで目撃情報があった。府警は十九日、この公園でガソリン携行缶が入っていたとみられる空箱などを押収。事件当日の午前、近くのガソリンスタンドで似た男がガソリンを購入していた。

 府警によると、死者三十四人の性別は男性十三人、女性二十人、不明一人。全て同社の従業員といい、多くが一酸化炭素中毒で死亡したとみられる。このうち、三階と屋上に出る扉をつなぐ階段で半数以上の十九人が見つかった。消防隊員が到着した際、扉は閉まった状態で、炎や煙から逃れようと殺到したが開けられなかった可能性がある。

 青葉容疑者は二十リットル入りの携行缶二つを台車に載せてスタジオに向かい、十八日午前十時半ごろ、一階の玄関から侵入。玄関近くのらせん階段周辺でガソリンをまき、柄の付いたライターで火を付けたとみられる。現場からハンマーと包丁数本も見つかっているが、使用した形跡はなかった。

 府警は十九日、現住建造物等放火と殺人、殺人未遂容疑で現場検証。逮捕されていない段階での氏名公表について、府警幹部は「事案の重大性を鑑みた」と説明した。

<お断り> 京都アニメーションのスタジオ放火事件で、京都府警が氏名を発表した男は逮捕されていませんが、事件の重大性に加え、けががなければ現行犯逮捕される事件であることを考慮し、実名で容疑者呼称とします。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報