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【社会】

<参院選>ALS患者ら国政へ れいわ、2議席獲得

当選した船後靖彦さん(左)と記者会見する政治団体「れいわ新選組」の山本太郎代表(21日)

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 今年四月に山本太郎さん(44)が代表となって立ち上げた政治団体「れいわ新選組」は、比例代表で二議席を獲得した。いずれも新人で、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の船後(ふなご)靖彦さん(61)と、重度の障害がある木村英子さん(54)。国会は議員活動を保障するため、幅広いバリアフリー化が求められる。

 都内の会見場に姿を見せた船後さんは「弱々しく見える僕ですが、根性だけは人一倍。命がけなのですから」とのメッセージを介助者が代弁した。障害者への支援充実に向け、「これからが勝負です。どうぞよろしくお願いします」と伝え、支援者から「おめでとう」と祝福を受けた。日本ALS協会によると、ALS発症後に立候補して国会議員になるケースは初めて。

 木村さんは「厳しい状況に置かれている障害者の一票一票が心に突き刺さっていて、頑張らなきゃという思い」と決意を話した。

当選を喜ぶ木村英子さん(22日)=いずれも東京都千代田区で

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 船後さんは商社マンだった一九九九年、手の力が入らなくなる異変を感じ、翌年にALSの告知を受けた。手足は動かず、声は出せない。人工呼吸器と胃ろうを装着し、車いすの移動も介助が必要だ。目で文字盤を追い、それを介助者に読み取ってもらうほか、わずかに動かせる歯でセンサーをかんでパソコンを操作し、意思を示している。

 今は介護サービス会社の副社長などを務め、難病患者の立場から大学での講演もこなす。二〇一四年には千葉県松戸市議選に挑戦して落選。人の価値を「生産性」で測るような社会の風潮に危機感を覚え、「自分が国会に入ることで障害者への接し方を変える一助になれば」と命を懸けて立候補を決断した。

 木村さんは、生後八カ月の時に歩行器の転落事故で障害を負い、今は手足をほとんど動かせず、電動車いすで移動する。障害者が地域で生活できるよう制度の改善を求める運動に携わる。その立場から、介護保険と障害福祉の統合反対などを訴えた。

 二人に出馬を要請した山本さんは、船後さんを「体は動かなくても頭脳は明晰(めいせき)。国会に入り、本当の意味の合理的配慮が行われたら障害者施策を前進させることができる」。木村さんには「攻めの姿勢で理路整然と官僚とやり合う方。ぜひ一緒にやりたいと何年も前から思っていた」と話す。議場での質問や採決方法などで「国会が柔軟に対応していくこと」も求めた。

 二人は、特定の候補者を優先的に当選させることができる「特定枠」で立候補。六年前に東京選挙区で初当選した山本さんは今回、比例に回った。 (渡辺聖子)

 

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