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【社会】

東京五輪あと1年 私たちの自己ベスト

 「全員が自己ベスト」。24日、開会まで1年となった東京五輪の基本コンセプトだ。競技に参加する選手だけでなく、大会を機に「世の中を少しでも良くしよう」と取り組む市民も重要な存在。あと1年で達成したい「自己ベスト」を、4人に聞いた。 (原田遼)

◆プラごみ 私自身が半減できれば

削減に取り組む・大舘(おおだち)弘昌さん(33)=東京都新宿区

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 今月、東京都江戸川区の海岸を歩くと、多くのペットボトルやプラスチック容器が捨てられていました。東京湾は、五輪でトライアスロンなどの舞台となるのに悲しくなります。

 これまで環境保護団体「グリーンピース」の一員として、ごみ問題に関わってきました。国内でペットボトルが年間200億本も出荷され、削減が進まない現状を知り、団体に専門チームを立ち上げました。

 視察したロンドンでは各所に給水器があり、市民がマイボトルにくんでいました。そこで今年4月、5000人分の署名とともに東京都に給水器増設を要望しました。プラスチックを使わない生活は簡単ではありませんが、まず私自身がごみを半減させたいです。

◆共生社会 ボランティアと考えたい

電動車いすで生活・石川明代さん(53)=東京都大田区

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 41歳の時の医療過誤で全身にまひが残り、電動車いすで生活しています。昨年秋、東京・蒲田駅で車いすに対応したタクシーに乗ろうとしたら、「電動は重いので無理」と運転手さんに断られました。

 「重さは約20キロあるが、折りたためる」「タクシーに装備されているスロープを設置してくれれば、車いすごと乗り入れられる」とお願いしても「駄目」の一辺倒。面倒だという気持ちがあったのでしょうか。設備や機器を整えても、心が伴わなければバリアフリー社会は実現しません。

 大会のボランティアは8万人。彼らに事前研修を行う講師を組織委が募集していて、私も応募しています。共生社会について一緒に考えたいです。

◆被災3県 サッカーで子ども元気に

福島大4年・宮崎古都(こと)さん(21)=福島市

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 中学生の時、故郷仙台市で東日本大震災を経験しました。福島大に進んでからは、原発事故の影響で立ち入りが制限された区域を見たり、「米が売れない」という風評被害を聞いたりして、人々のつらい思いを痛いほど感じました。

 東京五輪で福島県はソフトボールの会場になります。何かレガシー(遺産)を残したいと、2年前に先輩たちと学生団体「わだち」を立ち上げました。今秋、楢葉町に福島、宮城、岩手の3県の子どもを呼んでサッカー大会を開きます。

 放射性物質で土が汚染されたり、校庭に仮設住宅が建ったりして、十分に運動できなかった子どもが多くいます。絆を深め、新たな復興の力が生まれることを期待しています。

◆LGBT アジア最大のパレードを

元フェンシング日本代表・杉山文野(ふみの)さん(37)=東京都新宿区

=写真中央

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 女性として生まれましたが、小学校入学前から自分は男だと思っていました。大学卒業まで続けたフェンシングの現役生活ではトランスジェンダーだと打ち明けられず、常に周囲に気を使っていました。

 引退後に公言しましたが「ストレスなく練習できていれば、もっと強い選手になれたかも」という悔いがあります。前回リオデジャネイロ大会では、約50人の海外選手がLGBT(性的少数者)だと公表した一方、日本選手はゼロ。まだ言い出せる環境になっていないのでは。

 大会中、LGBTの交流拠点「プライドハウス」を都内に開設します。大会直前には、アジア最大規模のパレードを東京で実現しようと仲間と動いています。

 

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