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【社会】

みんな平等 ゆるスポーツ 障害あっても、なくても

いもむしラグビー 5月19日、東京都品川区で

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 障害があってもなくても一緒に楽しんだり、競い合ったりできるスポーツが注目されている。運動が苦手な人でも勝てる緩い競技が人気を集めるほか、障害者と健常者が短距離走などで真剣勝負をする大会も始まった。東京パラリンピックを来年に控え、互いに理解を深めるイベントが増加。関係者は「東京パラ閉幕後にこうした機運がしぼまないよう活動を広げたい」と話す。

 手だけで進む「いもむしラグビー」、大きな穴が開いたラケットを使う「ブラックホール卓球」、動き続けながら一メートルの距離をいかに遅くゴールするかを競う「百センチ走」−。五月、東京都品川区で開かれた「ゆるスポーツ」のイベントは、一筋縄ではいかない種目が並んだ。ユーモアあふれる競技名やルールで、ミスをしても笑いが絶えない。健常者や視覚障害者、車いすの人ら約三百人が競技を楽しんだ。

ブラックホール卓球 5月19日、東京都品川区で

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 手足が不自由な車いすの男性(30)は「普通のスポーツでは健常者に絶対に勝てないが、自分の方が得意で勝てる競技があってうれしかった。スポーツだけど平等な感じがする」と笑顔で話す。

 川崎市の女性会社員(29)は、目隠しをして白杖(はくじょう)で点字ブロックの凹凸を探りながら進む「点字ブロックリレー」に参加。「見えないとまっすぐ歩けているのか不安。点字ブロックの上に自転車があると危ないと言われている意味が分かった」と驚いた表情を見せた。

 家族と参加した元パラリンピック車いすマラソン代表の花岡伸和さん(43)は「それぞれの競技はちょっと不便なところがあり、障害を疑似体験している面もある。誰でも障害を身近に感じ、いろいろなことに気づいてもらえるのでは」と話す。

 ゆるスポーツは、障害者や高齢者でも勝負を楽しめるよう、運動が苦手な人や障害者の協力を得て開発。世界ゆるスポーツ協会の沢田智洋代表は「競技を通じて互いの違いを認め、それぞれが許容できるストライクゾーンを少し広げてほしい」と意気込みを語る。

 パラリンピックは障害の種類や程度などでクラスを分けるが、障害者と健常者が同じ舞台で真剣勝負をする大会もある。二〇一七年から毎年開催されている「近畿アンリミテッド・パラ陸上」は障害、年齢を問わず参加でき、競技区分は立位と座位、性別だけだ。

 聴覚障害者らが出場する短距離走などでは音と光の合図でスタートを知らせるピストルを使い、光が見えやすいようスタートの位置を移動するなどレースごとに出場者に合わせた配慮をする。大会の参加者は健常者と障害者がほぼ半々で、障害者が勝つ競技もある。

 北林直哉大会実行委員長は「誰でも同じ条件でスポーツに参加し、互いの健闘をたたえ合う環境をつくっていきたい」と話している。

真剣一緒に100メートル走 2018年7月、大阪市で(近畿アンリミテッド・パラ陸上実行委員会事務局提供)

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