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【社会】

ミスト、冷却グッズ…テストで不評 酷暑の五輪、対策大丈夫?

ビーチバレーの五輪テスト大会会場で、帽子やタオルをかぶり、冷却パックを手に観戦する人たち=7月24日、東京都品川区の潮風公園で

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 二〇二〇年東京五輪・パラリンピックに向け大会組織委員会がテストを進める暑熱対策が、限定的な効果しか発揮できていない。都内でのミストシャワー(噴霧器)の使用実験では、熱中症のリスクの目安となる暑さ指数(WBGT)が「危険」の水準をオーバー。組織委からは観客に「自己責任で」と求める声まで出はじめた。 (原田遼)

 七月下旬、東京・お台場で行われたビーチバレーボール大会の会場の一角で、暑熱対策のテストが行われていた。ミストシャワーのすぐ手前に置かれた計測器の表示は「WBGT 三一・一度」。

 暑さ指数は温度、湿度、日射の度合いで導かれる暑さの目安だ。計測器の表示は、環境省が「全ての生活活動で熱中症になる危険」とする「二八度」を超えていた。都幹部は「直射日光の下ではミストシャワーを使っても下がりづらい」と苦渋の表情だった。

 この日は、テントで日陰をつくり送風機を回した地点でも指数は二九・一度を示した。何も対策を取らなければ三二・一度まで上がった。梅雨明け前で、都心の最高気温は三二度止まりだったにもかかわらず、このひどさだった。

 五輪本番は来年七月二十四日〜八月九日。会場では保冷剤など冷却グッズも来場者に配ったが、都内の女性(48)は「冷たさをあまり感じない。意味がないかも…」とつぶやいた。

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 観客にとって特に危険なのが、最寄り駅から競技会場までの道のり「ラストマイル」だ。距離は多くの会場で一キロ前後だが、混雑でなかなか進めないことが予想される。会場に着いても、手荷物検査の行列が待つ。国際オリンピック委員会(IOC)の基準では、行列の待ち時間は二十分程度に抑えるとされているが、組織委の担当者は「時間帯や会場によっては、それ以上かかるかもしれない」と話す。

 ラストマイルの道中の全てに、ひさしやミストシャワーを整備することは予算上、不可能だ。「最後は観客の自己責任になるのではないか」。組織委によると、七月三十日に行われた理事会で、一人の理事からこんな意見まで飛び出した。

 会見した武藤敏郎事務総長は「組織委として自己責任という言葉は使わない」としながらも、「観客側にも対策を取ってもらえるよう情報提供していく」と語った。

 過去の大会では、ペットボトルの飲み物や日傘の会場への持ち込みは禁止されていた。組織委は東京大会では持ち込みを認めるよう、IOCと交渉中という。

 五輪会場の暑さを研究している東京農業大の樫村修生(おさむ)教授(環境生理学)は「特に臨海部の会場は、道中に街路樹やビルの陰が少なく危険。高齢者や外国人がたくさん倒れてしまわないか」と懸念。気温三五度下での実験では、日傘のあるなしで頭部の表面温度が一一度違ったといい、「日傘は絶対に持ち込めるようにしてほしい」と求めた。

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