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【社会】

処理水タンク、22年夏限界 東電試算 福島第一増量は困難

東京電力福島第一原発敷地内に立ち並ぶ、トリチウム水などが入ったタンク=2018年2月

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 東京電力は八日、福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、タンクでの保管は二〇二二年夏ごろ限界になるとの試算をまとめた。タンクを大型にするなどして保管容量を増やすのは困難という。九日に開かれる政府小委員会で説明する。処理水を薄めて海洋放出することも検討されているが、漁業関係者の反発は強く、難航が予想される。

 処理水の処分方法を議論している小委の開催は約七カ月ぶりで、これまでは地層注入や蒸発など五つの処分方法を検討してきた。今回から長期保管も選択肢に加わるが、東電は改めて処分の必要性を主張する見通し。

 保管中の水は今年七月末時点で約百十万トンに上り、東電は二〇年末までに敷地内で百三十七万トン分のタンクを確保する計画だが、それ以降は未定だ。一日当たり百五十トン前後の現在のペースで処理水発生が続くと二二年夏ごろ容量を超える。

 東電によると、現行のタンク(一基約千四百トン)より大容量の十万トン級タンクに交換するとしても、大型クレーンでの設置が必要で間隔を広く取らなければならず、結果的に保管容量は増えない。敷地外での保管は、移送が難しい上に周辺自治体の理解も必要なため、現実的な選択肢ではないという。

 また、今後取り出す溶融核燃料(デブリ)などを保管するのに最大約八万平方メートルの確保が望ましく、タンク三十八万トン分の敷地に相当。資機材保管場所も含めればさらにスペースが必要としている。

<福島第一原発の汚染処理水> 東京電力福島第一原発では、溶け落ちた核燃料がある1〜3号機の建屋内に注ぐ冷却水と、流れ込んだ地下水が混ざって高濃度汚染水となり、増え続けている。汚染水は多核種除去設備(ALPS)で浄化処理しているが、放射性物質のトリチウムは除去できない。トリチウムは人体への影響が比較的小さいとされ、他の原発では希釈して海に放出している。第一原発では浄化後の水をタンクに保管しているが、敷地に余裕がなくなってきており、廃炉作業に影響が出かねないと指摘されている。

 

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