東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

住宅地出没のヒグマ駆除 札幌 日中もうろつき菜園荒らす

 札幌市は十四日、同市南区の住宅地への出没が相次いでいた雌のヒグマ一頭を射殺し、駆除したと発表した。南区の簾舞(みすまい)地区や藤野地区では、クマが今月上旬から連日うろついて家庭菜園を荒らすなどの被害が出ていた。市は付近での墓参りの自粛を呼び掛けていたが、解除した。

 市によると、十四日午前六時五分ごろ、藤野地区の山中で、地元の猟友会がクマを駆除。クマは体長一四〇センチ、体重一二八キロで推定八歳。首回りが白く、市は出没を繰り返していた個体と特徴が合致すると判断した。

 十二日朝に自宅前でクマを目撃した無職鈴森仁さん(70)は「(クマが)かわいそうという気持ちもある。こうなる前に山に帰ってほしかった。行政はクマと共生するいい方法を打ち出してほしい」と訴えた。

 市は十日にトウモロコシやナシで誘う箱わなを設置したが効果なし。出没は夜間だけだったが、十二日から日中もうろつくようになった。

 近くの小学校では二十日に授業が始まる。市はお盆を迎え、墓参りの自粛やお供えを持ち帰るよう呼び掛けるとともに、猟友会に出動を依頼していた。

 南区では人口減少と住民の高齢化が進んでおり、栽培を放棄した果樹園もある。ヒグマが果物を食べて味を覚え、さらに餌を求めて住宅地に入り込むようになったとみられる。

 ヒグマの生態に詳しい北海道立総合研究機構の間野勉部長は出没しているクマについて、人間に対して攻撃性はないとみる。「周辺では過去にふんが見つかっている。以前から人間の生活圏に出入りし、自分を襲わない人間は『無害』と学習したようだ」と分析する。

 市街地に侵入させない対策として電気柵の設置があるが、高齢化で柵の維持は難しい。ハンターの高齢化も進む。「対応がいつまでも民間の狩猟者任せで、核となる公的人材がいない。体制整備が急務だ」と訴えている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報