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【社会】

<つなぐ 戦後74年>「何ができるか」 考えるひ孫たち

全国戦没者追悼式で献花補助を担当する高校3年の浜田有咲さん

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 厚生労働省によると、全国戦没者追悼式に参列する予定の戦没者の子や孫らのうち戦後生まれの人は千六百五十人で、全体(五千三百九十一人)の30・6%と初めて三割を超えた。戦後七十年の二〇一五年は千百九人、21・6%。四年で一・五倍に増えた。一方で戦没者の妻の参列はわずか五人と世代交代が進む。

 横浜市保土ケ谷区の高校三年、広沢駿さん(17)は戦没者妻の曽祖母の内田ハルさん(97)を介助するため五年連続で参列した。毎年、追悼式の会場で雰囲気を感じるうちに、戦争に対する意識の変化が自分の中で起きていると実感する。「戦争とはどういうものか知りたいという気持ちが湧き、戦争が起きないために自分に何ができるか、前より考えるようになった」

 駿さんの母歩(あゆみ)さん(50)は「今年は受験だけど、参考書より学べる部分があるはず。戦争の悲惨さをしっかり伝えられる大人になってほしい」と期待する。

 追悼式で献花補助者を務める前橋市の高校三年、浜田有咲(ありさ)さん(17)は曽祖父を二人、戦争で亡くしているが、祖父母から戦争体験を聞いたことはない。「戦争ってやることが残酷なので、聞くのは抵抗がある」としながらも、「上の人が決めて、国民もそれについていかなければならないのが戦争。民主主義とかの根幹が揺らぎ、人が傷つく。絶対にしてほしくない」という強い思いを抱く。

 滋賀県を代表して青少年献花者を務める同県愛荘町の中学一年、小椋和花(わか)さん(12)の曽祖父はフィリピンで戦死している。戦後、苦しい生活を強いられたと祖父から聞いた。学校の教材で学んだ戦争の怖さは「家族が突然バラバラにされること」と受け止め、胸に刻む。「東京に行った、だけで終わらせずに、『こういう式典だったんやで』と少しでも友達に言いたい」

 (井上靖史、藤川大樹)

 

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