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【社会】

京アニ放火1カ月 重い現実、痛む心 「被害者の個別ケア必要」

 京都アニメーション放火殺人事件では、悲惨な現実と向き合う遺族や被害者の心のケアが求められる。京都府警は百人態勢の専従チームで対応しており、今後は関係機関と連携を進めることになる。二〇〇一年に大阪教育大付属池田小で起きた校内児童殺傷事件の遺族は「一人一人の状況をひとくくりにできない」として、個別支援の重要性を指摘する。

 「(遺体を)直視できなかった。他の家族には見せてないし、見せられない…」。京アニで働いていた娘が犠牲になった男性が肩を震わせた。別の遺族は「小学生の孫に、父親である息子が犠牲になったと言えない」。孫は葬儀後も「お父さんはいつ帰るの」と尋ねてきたという。

 府警の専従チームは「前例のない規模」(幹部)。専門的な研修を受けた「指定被害者支援要員」も加わる。長期的には支援団体や医療機関、弁護士会などとの連携が必要になる。

 公益社団法人「京都犯罪被害者支援センター」は遺族らの相談を受け付けており、冨名腰(ふなこし)由美子事務局長は「時間がたつと、自分だけ生き残ってしまったという罪責感を募らせる人も出てくる。長期的にサポートしたい」と話す。京都府も相談窓口を設置している。

 校内児童殺傷事件で長女優希さん=当時(7つ)=を亡くした本郷紀宏さん(54)は「事件への向き合い方や精神的な回復に必要なことは、人によって違う」と語る。

 「臨床心理士などの支援も受けたが、一番助かったのは、自分の気持ちに寄り添ってくれる友人がそばにいてくれたこと」と自身の経験を振り返り「被害者支援に携わる人はマニュアルなどに引っ張られ、一律的な対応を取らないよう気を付けてほしい」と求めた。

 

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