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【社会】

パトカーはね4歳重体 四ツ谷駅前 横断歩道が「青」

 十八日午前十時四十分ごろ、東京都千代田区麹町六のJR四ツ谷駅前の交差点で、青信号で横断歩道を歩いていた都内の男児(4つ)が、緊急走行中の警視庁新宿署のパトカーにはねられ、病院に搬送されたが意識不明の重体となっている。

 麹町署によると、パトカーは国道20号(新宿通り)を皇居方面へ緊急走行し、赤信号の交差点を直進する際、男児をはねた。赤色灯をつけ、サイレンを鳴らし、スピーカーで緊急と伝えながら走っていた。

 男児は家族と一緒にいたが、横断歩道を渡っていたときは一人だった。現場は片側三車線の直線。署はパトカーを運転していた新宿署地域課の男性巡査部長(51)から、詳しい事故の状況を聴いている。

 新宿署によると、パトカーは薬物使用の容疑で調べていた男性の尿を緊急鑑定するため、警視庁本部へ向かっていた。巡査部長は十七日午後二時半から勤務し、体調などに問題はなかったという。助手席に乗っていた同課の三十代の男性巡査長が事故直後、「パトカーで男の子をはねてしまった」と一一〇番した。

 新宿署の岡部誠幸副署長は「けがをされた方にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い回復をお祈り申し上げます。今後、同種事案の再発防止を図るため、署員の指導、教養を徹底します」と話した。

◆新宿署「緊急性あった」 識者からは疑問の声

 パトカーがサイレンを鳴らして赤信号を通過する緊急走行は主に、事件事故現場への急行や容疑者追跡など切迫した場面で行われる。ただ今回は薬物事件での鑑定が目的で、ジャーナリストの大谷昭宏さんは「緊急走行は、やむを得ず他に手段がない場合に、万全を期して行われるべきだ」と話す。

 新宿署によると、署では薬物使用の疑いがある男性に任意同行を求め、提出を受けた尿の簡易検査を実施。薬物の陽性反応が出たため、警視庁本部で本鑑定をする必要があった。任意捜査のため長時間の拘束はできず、署は「緊急性があった」と説明する。薬物事件などで鑑定を急ぐために緊急走行するケースは、これまでもあったという。

 大谷さんは「四歳の子どもに、緊急走行のパトカーが来たら横断をやめろというのは教育的に無理がある」と指摘。「任意の薬物事件の鑑定にどれほどの緊急性があったのか。渋滞している場所だけで緊急走行することもできたはずだ」と語った。 (井上真典、奥村圭吾)

 

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