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【社会】

ドラレコ車内撮影に関心 あおり殴打事件後、売り上げ急増

ドライブレコーダーの説明を受ける買い物客=23日、東京都葛飾区の「スーパーオートバックス新小岩」で

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 茨城県守谷市の常磐自動車道で十日に起きたあおり運転殴打事件を機に、ドライブレコーダー(ドラレコ)の売り上げが伸びている。暴行を受ける被害者の様子がテレビ番組で繰り返し放送された影響もあり、車外だけでなく、車内も撮影できる高価格帯の商品への関心が高まっているという。ただ記録した映像を会員制交流サイト(SNS)などでみだりに公開すれば、プライバシーの侵害とみなされる恐れもあると警鐘を鳴らす専門家もいる。 (生島章弘、松村真一郎)

 事件現場付近の常磐自動車道守谷サービスエリア。「自分の車にレコーダーは付いていないが、事件の映像を見たら付けた方がいいと思った」。元観光バス運転手の川鍋定夫さん(71)=埼玉県春日部市=は購入に前向きだ。

 東京都葛飾区のカー用品店「スーパーオートバックス新小岩」には、機能に応じて一万円以下から七万円ほどまで約三十種類のドラレコが並ぶ。事件後は車内外とも撮影でき、価格も高い「三六〇度タイプ」に人気が集まり、一部は入荷待ちの状況だ。都内の会社員、瀧澤政宏さん(54)は「いつ事件や事故に巻き込まれるか分からない。『安全・安心』を買うと思えば、価格の高さはさほど気にならない」と話した。

 オートバックスを統括する「オートバックスセブン」(東京都江東区)のまとめでは、ドラレコの売上数は事件を境に急増。十二〜十八日は前週比で一・七倍に増え、「三六〇度タイプ」に限ると二・三倍になった。広報担当者は「今年の販売台数は、昨年の四十二万台を上回る見込みだ」と語る。

 ただ、ドラレコの普及で別の問題が引き起こされると懸念する声もある。ネット関連の訴訟を手掛ける最所義一(さいしょよしかず)弁護士は「記録されているのは、第三者の容貌や行動といったプライバシーを含む映像」と指摘。自身のSNSなどで公開する場合には「特定の人の顔をあえてさらすことで『憂さ晴らし』や『嫌がらせ』の目的だと判断されれば、名誉毀損(きそん)になる可能性もある」と強調し、節度ある対応を促した。

<あおり運転> 相手の自動車に激しく接近し、もっと速く走るように挑発、妨害する危険な運転。摘発件数は全国的に増えている。内閣府の交通安全白書によると、2017年に道路交通法違反の「車間距離保持義務違反」の取り締まりが約7100件だったのに対し、昨年は約1万3000件と1・8倍になった。背景には、神奈川県の東名高速道路で17年6月、あおり運転絡みで夫婦が死亡した事故などを契機に社会問題化したことがある。警察庁は18年、全国の警察に摘発の強化を指示した。

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