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【社会】

なでしこケア 立ち上がれ 女子サッカー セクハラ撲滅へ

女子サッカー界のセクハラ撲滅について話し合う選手ら=東京都内で(なでしこケア事務局提供)

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 セクハラ被害や男子選手との待遇差など、さまざまな課題を抱える女子サッカー選手が自ら問題を解決しようと活動を始めた。なでしこリーグの選手らが今夏、選手の地位向上を目指す一般社団法人「なでしこケア(なでケア)」を立ち上げた。事務局長の大滝麻未選手(30)=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース=は「選手のアイデアを実現できる団体にしていきたい」と話す。 (兼村優希)

◆現役・OG選手の地位向上目指す

 八月十九日、東京都内に女子サッカーの現役選手やOGら計十六人が集まった。なでケアが法人の発足後初めて開いた選手同士のワークショップで、「スポーツ界におけるセクハラ撲滅」をテーマに約一時間、原因や解消するために選手ができることを議論した。

 女子中学生サッカーチームの指導者が栃木県内の合宿先で選手を盗撮しようとしたとして今月上旬に逮捕された事件があった。被害に遭ったのが、なでケアが以前指導したチームだった。大滝選手は「被害に遭う女子やサッカーの発展という視点からも、セクハラは絶対になくさなければならない」と訴え、活発な議論を促した。

 「監督にノーと言えない環境がある」「選手と指導者が過度にコミュニケーションを取り、関係性が保てない」「相談できる場所がない」。話し合いでは多数の意見が上がった。窓口として、なでケアが積極的に相談を受けることや、指導者研修にセクハラ防止の内容を加えることなどが提案された。

 なでしこリーグでは二〇一四年に千葉の男性指導者が所属選手にセクハラ行為をしたとして解任された。日本女子サッカーリーグは当初、異性間での指導指針の策定や相談窓口の設置などの再発防止策を示したが、当時の専務理事が退任したこともあり、ほとんど実現されないままだ。

 日本代表の南萌華選手(20)=浦和レッズレディース=は「男性指導者はレベルが高い指導をしてくれ、女子サッカーのレベルアップに欠かせない存在」とした上で、「指導者の意識の問題もあるが、選手自身もしっかり自覚し、セクハラを防止していくことが必要」と選手自らが問題に取り組む意欲を明かした。

 女子サッカーを巡ってはセクハラだけでなく、男子選手との待遇格差など、地位向上を求める動きが出てきている。なでケアの合言葉は「女子サッカーを文化に」。大滝選手は「何ができるか分からないともやもやしている選手を、クリアな状態に持っていける場にできれば」と語った。

<なでしこケア> 競技の普及や選手のキャリア構築支援、社会貢献などを目指し、現役選手らで立ち上げた一般社団法人。代表理事は日本代表主将の熊谷紗希選手(リヨン)。理事は近賀ゆかり選手(オルカ鴨川FC)。選手同士の意見交換の場を月1回程度設けるほか、中学生チームとの交流などの活動に取り組む。

「女子サッカーを文化に」を合言葉とするなでしこケアのワークショップに参加した選手ら=東京都内で

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