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【社会】

<東京2020>パラリンピック 障害者巡る壁に気付いて 64年大会 通訳ボランティア座談会

 本紙は、一九六四年東京パラリンピックで活躍した日赤の通訳ボランティア「語学奉仕団」の元メンバーによる座談会を行った。参加者は七十〜八十代の八人。二〇二〇年東京パラリンピックへ向けたそれぞれの活動内容や抱負を語った。

 座談会は今月上旬、東京都港区の日赤本社で開催。男性二人、女性六人が参加した。

 齋藤明子さん(73)=東京都豊島区=は、障害者の自立支援に長年関わった経験から、障害に関する英和・和英辞典の出版計画を進めている。「英語表現は、障害者を医療や福祉の対象として見る言葉から、障害者自身が主人公となって使う言葉へと変化している。その背景を描く読み物にしたい」と意気込んだ。

 例えば障害者を示す英語は「ザ・ディスエイブルド」がかつて使われたが、障害だけを強調した言葉。近年は「ザ・パーソン・ウィズ・ディサビリティーズ」が一般的だとし、「語順は人間が先で障害が後。人間に重きが置かれている」と説いた。

 南風原英允(はえばらひでみつ)さん(80)=東村山市=は「来年の大会の聖火ランナーに応募したい」と決意表明。心臓手術を経験したが、ハンディのある選手が全力を尽くした六四年大会を思い出した。「自分を支えてくれる人に感謝を込めて走りたい」

 吉田紗栄子さん(76)=横浜市=は「64語学奉仕団のレガシーを伝える会」を設立し、海外の障害者を日本の家庭に招く交流活動を行っている。来年の大会ボランティアに向けて「パラリンピック担当に決まったら幸せだと思ってほしい。障害者を巡る社会の壁に気付き、生涯続く出会いを経験して」とエールを送った。 (臼井康兆、原田遼)

<1964年東京パラリンピックと語学奉仕団> 東京五輪の翌月の11月8〜12日に行われた。22カ国の選手約380人が参加。英国の下半身まひ者の競技会が源流で、選手は全員が車いすだった。

 語学奉仕団は、同年4月に日赤が結成した通訳ボランティア。メンバーは主に首都圏の大学生ら約160人。外国選手の空港送迎、選手村や競技会場でのサポート、観光案内などを無報酬で行った。事前に英会話の訓練を積み、障害者の介助も学んだ。

 

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