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【社会】

サンバ大好き記者が案内します 浅草サンバカーニバル 「この日のために1年」 万感の笑顔 見に来て

【コミサン・ヂ・フレンチ】オープニングを飾るパート。パレードのテーマを観客に紹介する役割を担う(写真はいずれも昨年の浅草サンバカーニバルから。撮影・平野晧士朗)

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 下町の夏を締めくくる第38回浅草サンバカーニバルが31日、台東区の雷門通りなどで開催される。各チームはこの日のために1年間、知恵と汗とお金を総動員して準備してきた。バテリア(打楽器隊)としてサンバチームに所属し、このカーニバルに10年以上出場を続けてきた記者が、華やかさに隠された知られざる「浅草への道」を紹介しよう。(高山晶一)

【ポルタ・バンデイラ&メストリ・サラ】チームの旗を持つ女性と、エスコート役の男性のペア。宮廷風の豪華な衣装をまとう

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 コンテスト部門はS1(1部)、S2(2部)両リーグに8チームずつが出場。800メートルのコースを約40分かけて行進し、表現力や躍動感などを採点され、順位を競う。S1の最下位チームとS2の優勝チームは入れ替わるため、文字通りの真剣勝負だ。

【バイアーナ】ブラジル北東部バイーア地方独特の、すそが大きく広がった衣装。くるくる回って優美に踊る

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 記者が所属するチームも、昨年8月のカーニバルでS1に残留すると、その約10日後には翌年のパレードのエンヘード(テーマ)の募集を始めた。

 せっかくだからと記者も応募。考えたのは「絶滅危惧種」。乱獲や環境破壊で姿を消していく野生動物の保護を訴えるエンヘードだ。10月のある夜、採用を知らせるメールが届いた。

【ハイーニャ・バテリア】「バテリアの女王」と呼ばれるトップダンサー。バテリア(打楽器隊)を鼓舞しながら、円熟の踊りを披露する

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 11月、パレード全体の構成を練るプロジェクトチームが始動。エンヘードを分かりやすく表現するためにどんなアーラ(集団)を設けるかを固めていった。申し訳ないことに、発案者でありながら記者は仕事で欠席続きだったが…。

 同時進行で作曲や作詞が得意なメンバーが曲づくりを進め、今年3月に完成。踊りの振り付けや、バテリア(打楽器隊)の演奏パターンも決まっていった。

【バテリア】大中小の太鼓などで大音量のリズムを生む、パレードの心臓部。メロディーを奏でるパートもある

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 衣装も、絶滅危惧種の動物などを自分たちで考案。サンバチームは100人を超える大所帯だけに、衣装をデザインできるメンバーもちゃんといる。皆それぞれが才能を発揮し、協力してパレードを作り上げる。

【パシスタ】「ステップを踏む人」の意。羽根つきの華麗な衣装をまとう。経験を積んだ女性ダンサーが務める

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 資金作りも重要だ。浅草サンバに出るには通常、アレゴリア(山車)の制作費や、音響設備費も含めて数百万円かかる。メンバーから集める会費だけでは足りない。記者のチームも、地域のお祭りに出演した謝礼や、飲み食いしながらサンバを楽しむ「パゴージ」というイベントを定期的に催した収益を、浅草出場の資金に充てている。

【アレゴリア】テーマに沿って装飾された山車。ジスタキ(「目立つ人」の意)というダンサーが上で踊る

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 こうした苦労と工夫の集大成として臨む浅草は、私たちサンビスタ(サンバが大好きな人)にとって特別な舞台。仲間たちと苦労を分かち合ってきた1年間の記憶がよみがえり、目頭を熱くしながらパレードする人は少なくない。記者もその一人だ。

 31日、浅草を訪れる方には、出演者たちの笑顔の裏にある1年間の苦労にも思いをはせてもらえれば幸いだ。

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