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【社会】

<つなぐ 戦後74年>私の「戦争」伝えたい 著名人証言あすから上映 新宿・平和祈念展示資料館

秋吉敏子さんのインタビュー画像=平和祈念展示資料館提供

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 著名人に戦争体験を聞いた映像資料の制作を、東京都新宿区の平和祈念展示資料館(西新宿2)が始めている。多くの人に興味を持ってもらい、戦下の記憶を伝えるためで、第1弾は旧満州(中国東北部)からの引き揚げを経験した世界的ジャズピアニストの秋吉敏子さん(89)で、9月1日から同館で特別上映される。 (中村真暁)

 同館は総務省の委託を受け、兵士や強制抑留者、海外からの引き揚げ者などの資料を展示するほか、戦争体験者による「語り部お話し会」を年六十回開催。同館では体験者二十二人の証言を映像で記録し、ホームページで公開している。これに続き、映像化に乗り出したのが「著名人の語る戦争」。初回は、米ニューヨーク在住の秋吉さんの来日に合わせて収録した。

 秋吉さんは一九二九(昭和四)年、旧満州生まれ。戦況が悪化する中、両親の反対を押し切り、陸軍の看護師に志願したこともあった。満州には、四五年八月にソビエト軍が侵攻し、日本の敗戦でかいらい国家だった満州国も消滅。中国共産軍と国民党軍との市街戦も起こり、混乱状態が続いた。やっとの思いで日本に引き揚げたのは四六年。大分・別府のダンスホールでピアニストになり、一家の生活を支えながら、世界的な演奏家への道を開いていった。

 映像のタイトルは「秋吉敏子 わが故郷満州〜ロング・イエロー・ロード」(約四十分)。旧満州時代や現代に至る歩みを振り返る秋吉さんへのインタビューのほか、当時の写真や現在の演奏風景が盛り込まれている。

 同館は本年度、他に漫画家のちばてつやさんなど二人の証言映像を制作する計画。橋場敏見館長は「一般の人が戦争を考える機会が減っている。著名な人の情報発信力で、戦争の労苦を伝えたい」と話している。

 入館・鑑賞無料。月曜休館。秋吉さんの証言映像の上映は二十九日まで。イベントのため、十五日、二十五日は上映中止。問い合わせは、平和祈念展示資料館=電03(5323)8709=へ。

 

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