東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

神津島キャンプ場 2カ所廃止へ 夜に騒音、ごみ散乱

多くの利用者のテントが並ぶキャンプ場内 =いずれも神津島の沢尻野営場で(東京都提供)

写真

 首都圏を中心に、近年多くの人が訪れている伊豆諸島の神津島(東京都神津島村)のキャンプ場2カ所を本年度限りで廃止すると都が明らかにした。利用者による夜間の騒音など近隣住民への悪影響が出ているため。都が自然公園内に設置するキャンプ場は11カ所あるが、廃止は初めて。国内の他地域でも廃止の事例があり、利用者のマナーの悪さが問題となっている。 (原昌志)

 廃止となるのは、富士箱根伊豆国立公園の区域内にある同島の沢尻野営場と長浜野営場。いずれも海水浴客向けで無料。

 神津島は東京・竹芝桟橋から船で最短三時間程度と、離島としては身近。アウトドアレジャーの人気もあって、近年は五月の大型連休や夏休みを中心に利用者が増えている。沢尻は二〇一三年度まで年間五百人前後だったが一四年度から右肩上がりで一八年度は千五百十八人。長浜も一八年度まで三年連続で増え、申し込みをした正規の利用者だけで一八年度は四百九十八人。

 利用者が増えるとともに近隣住民からの苦情も増えた。利用者が夜間に大音量で音楽を流したり、飲酒して大騒ぎしたりする事例が相次ぎ、ごみの散乱も目につくようになった。このため神津島村は昨年末、都に両施設の廃止を要請していた。所管する都環境局の担当者は「インターネットや口コミで話題になったためか、ここ数年急に利用者が増えた。住民への迷惑のほか、野生生物の生息域への悪影響も懸念され、やむを得ない」としている。

 来年度以降も両施設のトイレや炊事場は、日中は引き続き利用できる。夜間のキャンプ需要には、島の反対側にある有料施設、多幸湾ファミリーキャンプ場を拡大して対応するという。

ごみ箱からあふれ出しているごみ

写真

◆マナー悪化 他地域でも

 「ロケット花火を打ち上げたり、壊れたテントやゴムボートが捨てられていたり。マナーが悪いのは一部の利用者なのですが」

 神津島村役場の担当者は残念そうに語る。

 閉鎖される二カ所のキャンプ場は、住民が日常的に通る主要道路に面している。夜間の大騒ぎには「通るのが怖い」といった声も寄せられていた。村観光協会の男性も「観光地はどこも同じような悩みは抱えていると思う」と言葉少なだ。

 環境省によると、国立公園内のキャンプ場は全国に約二百二十カ所ある。閉鎖の事例について個別の事情は集計していないが、一部でマナー悪化の声があるという。国立公園課の担当者は「一般論だが、ルールを守ってもらわなければ、今回のように廃止せざるを得ないこともある」という。

 兵庫県猪名川町の県立自然公園内にある、無料の大野(おおや)アルプスランドキャンプ場も今年一月、一時閉鎖に踏み切った。山の頂(いただき)付近にあり、パノラマの景観が楽しめる人気スポットだったが、二、三年前からごみの散乱や木の伐採、芝生でじかにたき火をするなどの悪行が頻発。同町担当者は「管理も限界。せっかく良い場所だけに残念だが、今のところ再開する見通しは立っていない」と申し訳なさそうに話した。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報