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【社会】

自殺の容疑者 書類送検へ 川崎殺傷 きょうにも

 川崎市多摩区で五月、スクールバスを待っていた私立カリタス小学校の児童ら二十人が殺傷された事件で、神奈川県警は二日にも、殺人や殺人未遂などの疑いで、事件直後に自殺した岩崎隆一容疑者(51)=同市麻生区=を容疑者死亡のまま書類送検する。捜査関係者への取材で分かった。

 事件は五月二十八日午前七時四十分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上で発生。岩崎容疑者が包丁で児童や保護者を次々切りつけ、六年の栗林華子さん(11)と、別の児童の保護者で外務省職員の小山智史さん(39)が死亡し、児童ら十八人が重軽傷を負った。岩崎容疑者は直後に自分の首を刺し、死亡した。

 県警は、現場周辺の防犯カメラやドライブレコーダーなど二十台以上を調べ、両手に包丁を持った岩崎容疑者が、児童らの列の背後から突然、襲いかかる様子を確認。犯行時にすべり止めとみられる手袋を身に着けており、凶器の包丁二本は東京都町田市の量販店で購入された新品の可能性が高く、計画的に犯行に及んだとみている。

 しかし、自宅などの家宅捜索で事件と関係のありそうなメモや遺書などは見つからず、事件直前に岩崎容疑者と接触した人物もいなかったという。

◆動機分からぬまま捜査終了

 通学のためスクールバスを待っていた児童らが突然、襲われた衝撃の事件は、犯行動機の核心部分が分からないまま捜査終結を迎える見通しとなった。

 捜査関係者によると、事件の四日前と六日前の犯行時間帯に、岩崎容疑者とみられる男の姿が現場近くの防犯カメラに写っていた。六日前には現場から約一キロ離れたカリタス小の近くの防犯カメラに、同じ男の姿が写っていた。県警は、あらかじめ同小の児童らを狙った犯行とみている。

 ただ、なぜ同小を狙ったかの解明には至らなかった。県警は延べ二千百人の捜査員を投入、親族や学校関係者ら約四百人から話を聴くなど、三カ月にわたって捜査を続けてきた。たまに近くのコンビニなどに出掛ける以外は引きこもりがちで、行きつけの店も親しい友人も見つからなかった。

 パソコンやスマートフォン、犯行を示唆するメモもなかった。海外で起きた猟奇的な殺人事件を取り上げた雑誌二冊はあったが、非常に古いもので事件との関連性はないとみている。ある捜査幹部は「友人も趣味も見当たらない。どういう人物か最後まで分からなかった」と話した。 (土屋晴康)

 

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