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【社会】

パンダ 熱烈歓迎 「わが町に」日中改善で過熱

 政府が中国に新たな貸し出しを要請している、ジャイアントパンダの受け入れを目指す自治体が増えている。今年二月に茨城県と同県日立市が名乗りを上げたのに続き、秋田市も今春から動きを本格化。これまで、受け入れ先は仙台市と神戸市が有力な候補とされてきたが、日中関係改善の流れも影響し、「誘致合戦」は過熱している。

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 「県北振興の大きな起爆剤になると期待しチャレンジを決めた。全力で取り組む」。六月下旬、茨城県庁で開かれた「いばらきパンダ誘致推進協議会」の設立総会で、大井川和彦知事が誘致への決意を強調した。

 県と市は今年二月、かみね動物園(日立市)への誘致を表明。都道府県別の魅力度調査で、六年連続最下位に沈む県の魅力向上につなげようと、協議会には日立製作所関係者も名を連ね、官民一体で取り組む。同動物園の生江信孝園長は「子どもから『パンダを見たい』という声が届いていた。ぜひ夢をかなえたい」と期待を込める。

 パンダは現在、上野動物園(東京都台東区)に三頭、アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)で六頭、神戸市立王子動物園(神戸市)で一頭が飼育されている。

 昨年十月、安倍晋三首相と中国の李克強首相が新たなパンダ貸与の協議推進で合意し、雌のタンタン(旦旦)の貸与期限が二〇年七月に迫る神戸市と、東日本大震災からの復興のシンボルとして八木山動物公園への誘致を目指す仙台市が有力候補とみられていた。

 パンダは中国から繁殖研究目的で貸与されており、各自治体とも研究を誘致理由に掲げるものの、「客寄せパンダ」を地域振興につなげたいとの思惑がにじむ。

 秋田市は今春、一時中断していた大森山動物園への誘致活動を再開。穂積志(もとむ)市長が自民党の二階俊博幹事長や菅義偉官房長官に要望書を提出したほか、約四十八億円の経済効果が出るとする試算を公表した。穂積市長は「気候や立地条件が野生パンダの生息環境に近く、研究に貢献できる」とアピールする。

 ライバルの登場に、仙台市は「誘致活動に特に影響はない。自前の取り組みを続けるだけ」と強調するが、神戸市の担当者は「ますます不透明になった。貸与先を決めるプロセスの実態も分からないため、誘致を実現できる手応えもないのが実情」と不安を隠さない。

 都道府県別の魅力度ランキングを毎年公表している「ブランド総合研究所」の田中章雄社長は「経済効果や関連商品などの戦略をしっかり立てることが重要。ただパンダに頼るだけでは動物園に行って帰るだけになり、地域の魅力アップにはならない」と話した。

 

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