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【社会】

Jヴィレッジで後夜祭を 東京五輪・パラリンピック 福島県内有志が計画 ボランティアや地元の子招き

来年の後夜祭会場となるJヴィレッジ

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 福島県内の有志が、東京五輪・パラリンピック閉幕後に「後夜祭」を開催する計画を進めている。会場は五輪聖火リレーがスタートするJヴィレッジ(楢葉町)。大会ボランティアや地元の子どもらを招いて交流し、「復興五輪」をスローガンに終わらせず、福島の新たな一歩を踏み出そうとの思いを込めた。機運を盛り上げるため、パラ大会閉幕日の一年前に当たる六日には、同所でイベントがある。 (石原真樹)

 後夜祭はパラリンピックが終わる来年九月六日に開く。詳細は検討中だが、千人単位が集まる目標を掲げ、地元の盆踊りや音楽ライブを参加者が楽しむ計画だ。一年前イベントは少し規模を小さくし、本番同様に盆踊りなどを行うという。

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 企画したのはスポーツボランティアの育成に取り組むNPO法人「うつくしまスポーツルーターズ」。事務局長の斎藤道子さん(55)=福島市、写真=は「復興しているところも、そうでないところもある福島に私たちは生きている。笑顔を世界に発信したい」と語る。

 後夜祭で福島の子どもを元気づけたいという願いもある。斎藤さんは不登校経験者らを受け入れる福島市内の高等専修学校で講師として働いてきたが、東日本大震災後、避難先でなじめず不登校になった子に出会ったり、東京の大学に進学したが「福島に戻りたい」とこぼす若者がいたりすることが心配だった。

 「あからさまにいじめられなくても、福島出身と言うと『えっ、あの福島』となる。その積み重ねはつらいと思う」。子どもたちが福島への心ない偏見をはね返し、堂々と生きてほしいと考えた。

 小学六年生の時、出身地の広島で広島カープのリーグ初優勝(一九七五年)の熱気を体験したことも原動力となった。「被爆地として広島が背負ったものを解放するような、スポーツの力を感じた」。福島の子どもに五輪やパラリンピックを通じて、同じような体験をしてほしいと願う。

 復興が進まない中、「復興五輪」はうわべだけという批判も理解している。斎藤さんは「だからこそ後夜祭で『復興五輪』のフィナーレを飾りたい」と力を込める。Jヴィレッジから少し北上すると、今もガラスが割れて荒れた家屋が残り、除染土が詰まったフレコンバッグがある。後夜祭の機会に、訪れたボランティアには福島の光と影の双方を自分の目で見てほしいとも思っている。

 一年前イベントは六日午後一時〜六時半に開く。地元の盆踊り保存会や大学生らが参加する。飛び入りも可で、無料。問い合わせは、うつくしまスポーツルーターズ=電024(546)9875=へ。

<Jヴィレッジ> 1997年に国内初のサッカーのナショナルトレーニングセンターとしてオープン。福島第一原発事故後は収束対応の前線基地となり、被ばくの有無を調べる装置や作業員宿舎などが置かれた。今年4月、8年ぶりに営業を全面再開した。

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