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【社会】

母親 遺棄致死認める 結愛ちゃん虐待死初公判 東京地裁「夫の報復怖く」

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 東京都目黒区で昨年三月、両親に虐待された船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5つ)=が死亡した事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里(ゆり)被告(27)の裁判員裁判の初公判が三日、東京地裁(守下実裁判長)であった。優里被告は「間違いありません」と起訴内容を大筋で認めた上で、「(夫が)結愛を殴ったのは知らなかった。報復が怖くて通報できなかった」と述べた。

 検察側は冒頭陳述で、優里被告は夫の雄大(ゆうだい)被告(34)が結愛ちゃんに暴行し、嘔吐(おうと)を繰り返すなど衰弱していたのに病院に連れて行かず、放置したと指摘。「毎朝四時から、息が苦しくなるまで運動するなど達成が困難なことを強いられ、できないとベランダに出された。食事も一日に汁物一杯から二杯を与えられるだけだった」と述べた。

 検察側によると、結愛ちゃんの体には多数の古い傷や新しい傷があり、死亡時の体重は一二・二キロ(五歳児の平均は二〇キロ程度)だった。死亡するまでの約一カ月は、外出をしていなかったという。

 弁護側は「優里被告は事件時、雄大被告から執ように心理的なドメスティック・バイオレンスを受けていた」と主張。雄大被告から育児について度重なる叱責(しっせき)を受け、抵抗できない状況だったと強調した。

 起訴状によると、優里、雄大の両被告は、昨年一月下旬ごろから結愛ちゃんに十分な食事を与えず、二月下旬ごろには雄大被告の暴行で極度に衰弱していたのに、虐待の発覚を恐れて病院に連れて行かず、三月二日、肺炎による敗血症で死亡させたとされる。

 結愛ちゃんは「パパ ママ もうおねがい ゆるして ゆるしてください」などと両親に許しを請う文章をノートに書き残していた。悲痛な叫びは社会に大きな衝撃を与え、児童相談所の体制強化など法改正のきっかけとなった。

 結愛ちゃんは昨年一月まで暮らしていた香川県の児相に二回、一時保護された。しかし転居後に香川の児相からの引き継ぎが十分に行われず、東京都の児相が本人に接触できないまま事件は起きた。

 優里被告への判決は十七日に言い渡される見通し。雄大被告は保護責任者遺棄致死罪のほか、結愛ちゃんの顔を多数回殴ったなどとする傷害罪でも起訴されており、十月一日に初公判が予定されている。

船戸優里被告

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