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【社会】

<東京2020>五輪・パラリンピック チケット購入、点字なし 組織委、障害者要望応じず

 二〇二〇年東京五輪・パラリンピック組織委員会が、大会のチケット購入方法について説明する点字資料や、必要な情報を音声で案内するCDを作成していないことが、分かった。障害者団体が要望しているが、組織委はホームページ(HP)を音声読み上げ対応にしているなどとして応じていない。団体は「組織委自らが定めたバリアフリー化の指針に反している」と批判している。 

 団体は視覚障害者約千三百人が加入する「東京都盲人福祉協会」。組織委は指針「Tokyo2020アクセシビリティ・ガイドライン」で「公共的な文書は全て、点字、テキストデータ、拡大文字または音声形式で提供することが望ましい」と規定。同協会は今年七月に点字資料の作成などを求めた。

 これに対し組織委は、チケット購入のHPを音声読み上げ対応にし、配慮が必要な人の専用ダイヤルを設置したと説明。取材には「点字印刷物やCDは後で修正できなくなるため作成すべきでないと判断した。東京の団体だけに配布することもできない」と答えた。

 また指針は情報提供する手段の例示にすぎないとし「HPの音声読み上げなら、点字が読めない人も利用できる。今後も流動的な情報を点字で案内する可能性は低い」と説明した。

 都盲人福祉協会によると、五輪・パラに関する視覚障害者向けの情報が少ないとして昨年七月、都の担当局に改善を求めた。大会ガイドブックには音声コードが付いたが、その後も「チケット購入方法が分からない」との声が寄せられた。

 協会は「高齢者を中心にパソコンやスマートフォンを使えない人は多い」と指摘。組織委のHPは膨大な情報があるため、音声読み上げには時間がかかり、専用ダイヤルの案内に行き着くのも困難だとする。

 協会の笹川吉彦会長は「購入方法の要点やダイヤルの電話番号だけでも点字やCDで案内してほしかった。共生社会には、ほど遠い」と話す。視覚障害者団体の全国組織・日本盲人会連合も「指針に示された形式で情報提供しないのは、おかしい」としている。

 

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