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【社会】

アコヤガイ大量死 愛媛・三重 原因分からず

(上)正常なアコヤガイ(下)外套膜が半分以下に縮んだアコヤガイ=いずれも三重県水産研究所提供

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 国内最大のアコヤガイ真珠生産地、愛媛県の宇和海沿岸の宇和島市と愛南町で、養殖中のアコヤガイが大量死していることが、県などへの取材で分かった。稚貝を中心に被害が広がっており、真珠生産への影響が懸念されている。県などは、水温の急激な変化、餌の減少などの環境変化や感染症を視野に、原因を調べている。

 県や漁協によると、八月初旬ごろから被害が出始めた。ほとんどの養殖業者で、養殖中の貝の半数が死に、多いところでは八〜九割が被害に遭っているという。

 宇和海では、人工交配で生まれた稚貝を母貝養殖業者が購入し、養殖して母貝に育てた後、真珠養殖業者に販売している。稚貝は養殖に二年以上かかるため、二〇二一年以降の生産に影響が出る可能性がある。人工採苗を前倒し、新しい稚貝を業者に提供できるよう対応を進めている。

 愛媛県は一七年の真珠生産量が七千六百六十四キロと全国一位で、全国の生産量の38%を占める。同年の母貝の生産量千二百四十二トンも国内トップで88%を占める。

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 真珠養殖が盛んな三重県志摩市の英虞(あご)湾などでもアコヤガイが大量死し、養殖業者らに深刻な打撃を与えている。県水産研究所によると、貝殻の内部を覆う外套(がいとう)膜が縮んで死んでしまう現象だが、栗山功・主幹研究員(47)は「原因も具体的な被害状況も把握できていない。疾病の可能性も視野に入れ、対策の手掛かりを調べる」と話した。

 研究所には七月中旬以降、養殖業者から「貝が死んでいる」との報告が入り始めた。同月末に研究所が実施したアンケートでは、回答した約八割の業者が被害を認めた。

 栗山研究員によると、外套膜が縮む現象は水温が低くなる冬場に起こりやすいとされるが、過去十数年のデータでは大量死はなく、夏場の発生は初めて。

 生き残った母貝も真珠の品質に影響する恐れがあり、今冬の生産減に直結する。さらに稚貝の突然死も多数見られ、来年以降の母貝不足が懸念される。

 

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