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【社会】

京急トラックと衝突、脱線 運転手死亡 34人けが

トラック(右)と衝突し、脱線した京浜急行の電車の先頭車両=5日午後2時24分、横浜市神奈川区で、本社ヘリ「あさづる」から(市川和宏撮影)

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 五日午前十一時四十分ごろ、京浜急行の神奈川新町駅(横浜市神奈川区)近くの神奈川新町第一踏切で、青砥発三崎口行き快特電車(八両編成)が大型トラックと衝突した。トラックを運転していた本橋道雄さん(67)=千葉県成田市前林=が電車の下敷きになり、病院に搬送されたが死亡。電車の男性運転士と女性車掌、乗客の計三十四人が軽傷を負った。神奈川県警はトラック側に過失があったとみて、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)容疑で調べている。

 京急線は、京急川崎−上大岡間で運転を見合わせた。架線を支える柱が倒れるなどしており、京急は六日夕方の運転再開を目指して復旧作業を急ぐ。運輸安全委員会は五日、鉄道事故調査官三人を現地に派遣し、調査を始めた。

 県警や京急によると、電車は踏切のすぐ手前の神奈川新町駅を通過した直後、トラックと衝突。踏切から約八十メートル先で、先頭車両から三両目までが脱線した状態で止まった。約五百人の乗客はトラックから黒煙が上がったため、後方の車両に移動するなどした後、車外に脱出した。

 踏切の監視カメラには、線路脇の側道から右折して踏切に進入しようとしたトラックが曲がりきれず、遮断機付近で立ち往生する姿が写っていた。車などが踏切内に取り残されたことを知らせる障害物検知装置が作動し、異常を伝える線路上のランプが点滅し、電車の運転士は非常ブレーキをかけたが間に合わなかったという。

 京急によると、現場付近は通常、時速百二十キロで走行する区間で、ブレーキをかけても止まるまで五百数十メートル必要。京急は運転士が非常ブレーキをかけた位置について調べる。京急の関係者が付近にいたとの目撃情報もあり、京急は詳しい経緯を調べるとしている。

 衝突したのは千葉県香取市の運送会社「金子流通サービス」の十三トントラック。同社によると、五日は横浜市から千葉県成田市に果物を運ぶ予定で、本橋さんは午前四時ごろに会社を出発したという。

◆道を間違え? 直前踏切進入 立ち往生

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 複数の目撃者の話によると、大型トラックは事故直前、線路沿いの細い道路から踏切に進入しようとして立ち往生し、やがて遮断機が下りて踏切内に取り残され、電車と衝突したという。

 「踏切で道を曲がれず、困っている一台のトラックが見えた」。仕事で現場を通り掛かった横浜市泉区の会社員小坂誠さん(30)によると、トラックは線路沿いの道路から右折して踏切に入ろうとしたが、曲がり切れずに付近の標識や壁に接触。車体を壁にこすりながら何度も切り返し、踏切に車体前部が入ったあたりで警告音が鳴り始め、遮断機が下りた。

 歩行者らがトラックの脱出を手伝おうと、遮断機を持ち上げた。やっと曲がり切れたと思った時、トラックはなぜか踏切内へと進み、電車と衝突した。

 「バーンというはじけるような大きな音が響き、トラックの荷台と電車がぶつかった。トラックが電車にのみ込まれるように、一瞬にして視界から消えた」

 本橋さんが勤める運送会社によると、事故のあった踏切付近は普段は通らないルートという。通常は荷物を積んだ後、国道15号に入って首都高速に乗る。現場の踏切は国道から約六十メートルの所にあり、同社関係者は「道を間違えて国道に戻ろうとしたのでは」と話す。

 本橋さんは昨年十月から同社に勤務。今年六月の健康診断では異常はなかった。ドライバー歴は二十年以上だが、今回のルートを一人で走行するのは三回目だったという。(奥村圭吾、丸山耀平、丸山将吾)

 

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