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【社会】

「結果的に暴行容認」 目黒虐待死 被告人質問

 東京都目黒区で昨年三月、両親に虐待された船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5つ)=が死亡した事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里(ゆり)被告(27)の裁判員裁判が六日、東京地裁であった。前日に続き被告人質問があり、優里被告は夫の雄大(ゆうだい)被告(34)=同罪と傷害罪などで起訴=について「恐れていた」としつつ、「結果をみれば、(暴行を)容認したことになると思う」とうなだれた。 (山下葉月)

 「もうおまえに育児は任せられない」。結愛ちゃんが亡くなる約一カ月前の昨年二月四日、雄大被告はそう言い放つと、優里被告と一緒にいた結愛ちゃんの体を引っ張り、部屋を出た。優里被告は「結愛を取り上げられた。ほとんど結愛のそばにいられなくなった」と途切れ途切れに語った。

 優里被告は翌日、結愛ちゃんとの関係を保とうと、ノートに「ままにおてがみかいてね」と書き置いた。「私も結愛も言葉に出すのが苦手。手紙なら楽しい。本音も聞き出せるかなと思った」と振り返る。

 結愛ちゃんがノートに最初に「おてがみ」を書いたのは二月八日。「きのうパパにおこられた べらんだでたたされた」。虐待を受けた形跡が記されていた。

 そして殴るなどの暴行が激しくなっていた同月下旬、日付ははっきりとしないが、「パパとママにみせるってきもちでやるぞ えいえいおー」「もうぜったいぜったいやらないからね」「もうおねがい ゆるして」などと書かれていた。

 優里被告は法廷で「文章をみたら、普通の人なら助けるはずなのに、私はそうしなかった。私と雄大が結愛を追い込んだんだと思う」と声を詰まらせた。

 女性裁判員から「正面から向き合えない心情だったのか」と質問され、「結愛のあざを見ると、体も口も動かなくなるので、見られなかった」と答えた優里被告。証人として出廷した優里被告の父親が「優里と結愛の異常に気づいてやれなかった」と話すと、ハンカチで何度ぬぐっても涙が止まらなくなった。

 「死にたい。結愛のところに行きたい。どうやって罪をつぐなえばいいか分からない」。おえつ交じりに言葉をつなぐと、傍聴席のあちこちからすすり泣く声が漏れた。

 

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