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【社会】

トラック、道間違いか 通常のルート外れる 京急衝突脱線

京急線の電車がトラックと衝突、脱線した事故現場。日没後も復旧作業が続けられた=6日夕、横浜市神奈川区で

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 横浜市神奈川区の京浜急行線の踏切で快特電車と大型トラックが衝突した事故で、死亡したトラックの本橋(もとはし)道雄運転手(67)=千葉県成田市前林=が果物の出荷場を出発後、道を間違えた末に京急線の側道に迷い込んだ可能性が高いことが、捜査関係者への取材で分かった。京急は六日も復旧作業を進めたがクレーン設置に手間取るなどし、当初六日夕としていた全線運転再開は、七日昼ごろを目指している。 (土屋晴康、福浦未乃理)

 本橋運転手の勤務先の運送会社によると、事故のあった五日は神奈川区内の出荷場で果物を積んだ後、千葉県内の取引先に届ける予定だった。通常は出荷場を出た後、いったん国道15号に入り、途中の交差点でUターンして首都高速に乗るよう言われていたという。

 県警が走行ルート付近の防犯カメラを解析したところ、本橋運転手のトラックとみられる車両は午前十一時半ごろ出荷場を出発。国道15号を横浜駅方面へ向かったが、Uターンするはずの神奈川二丁目交差点で右折し、京急線の方へと進んでいた。

 京急線の高架をくぐった先には、「この先トンネル二・八メートル高さ注意」の表示があり、トラックの車高は三・八メートルのため直進できなくなり、右折して事故現場の踏切へと通じる細い側道に入った可能性が高い。

 同じルートを記者が六日、実際に乗用車で走ってみた。本橋運転手がUターンせずに右折した国道交差点は交通量が多く、不慣れだと間違えるかもしれないと感じた。右折して京急線の高架をくぐった先の交差点の正面には、直進すると高さ制限二・八メートルのトンネルがあることを知らせる表示が目に入った。

 直進できなければ右折か、左折かの選択になる。本橋運転手は首都高に乗りたいと考え、その方向に当たる右折を選択したのか−。

 京急線の側道に入ってしばらく進むと、付近の住民が「乗用車一台が通るので精いっぱい」と話すとおりの道幅になった。首都高に乗るにはもう一回右折して、右手に見える線路を越えなければいけない。

 ただ、目についた高架下の三つのトンネルのうち一つは歩行者用で、一つは幅が狭く、残り一つは高さ制限二・三メートル。結局、右折できないまま事故現場の百五十メートル手前に張られた警察の規制線にたどり着いた。

◆左折断念し踏切へ 京急2社員現場で誘導

 快特電車と衝突したトラックは事故直前、線路脇の狭い道路から踏切と反対方向に左折を試みて断念していたことが、京急への取材で分かった。京急社員二人が現場に居合わせ、トラックの切り返し作業を手伝っていたことも判明。神奈川県警はこの社員からも事情を聴くなどして詳しい状況を調べる。

 京急によると、社員二人は踏切近くの「神奈川新町乗務区」に勤務する運転士(44)と車掌(24)。本橋運転手から左折のための後方確認を依頼されて手伝った後、左折をあきらめたと伝えられた。トラックは右折しようと四分近くにわたって何度も切り返した末、遮断機をくぐり抜けるように踏切に進入。社員二人のうち、運転士が踏切の非常ボタンを押した。

 運輸安全委員会の鉄道事故調査官は六日、車両の損傷状況の確認や踏切近くのカメラ画像の解析を進める考えを明らかにした。県警は、本橋運転手が勤務していた千葉県香取市の運送会社から押収した出勤簿や運転日報を調べ、大破したトラックの運行記録計(タコグラフ)を分析する方針。

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