東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

目黒虐待死 母に懲役11年求刑 検察側「最低限の行動せず」

 東京都目黒区で昨年三月、両親に虐待された船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5つ)=が死亡した事件で、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の優里(ゆり)被告(27)の裁判員裁判の論告求刑公判が九日、東京地裁(守下実裁判長)であった。検察側は「子の命を守るという親としての最低限の行動すら起こさなかったのは強い非難に値する」として、懲役十一年を求刑した。判決は十七日。

 検察側は論告で、結愛ちゃんが夫の雄大(ゆうだい)被告(34)=同罪と傷害罪などで起訴=から過度な食事制限や暴行を受けていたのに、「引き離すことなく放置した」と指摘。体に百七十カ所以上の傷やあざがあり、嘔吐(おうと)が続いていたにもかかわらず病院に連れて行かなかったとし、「空腹や暴力による苦痛をどれほど感じていたか。味方だったはずの母親に最後まで助けてもらえなかった絶望感は察するに余りある」と非難した。

 優里被告は雄大被告から心理的なDV(ドメスティックバイオレンス)を受けていたものの、「抵抗することはできた」と支配下にあったことは否定した。

 弁護側は最終弁論で「雄大被告の強い支配の中で自由に行動できなかった。結愛ちゃんの死への関与度合いは低い」と懲役五年の判決が相当だと訴えた。

 最後に意見を求められた優里被告は、まっすぐに裁判官と裁判員の方を向くと、「結愛の心も体もぼろぼろにして死なせたことへの罰は、しっかりと受けたい」と涙交じりに話した。

 起訴状によると、優里、雄大の両被告は、昨年一月下旬ごろから結愛ちゃんに十分な食事を与えず、二月下旬ごろには雄大被告の暴行で極度に衰弱していたのに、病院に連れて行かず、三月二日、肺炎による敗血症で死亡させたとされる。

 雄大被告の初公判は十月一日に予定されている。 (山下葉月)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報